バツあり女性が再婚を考えるときに気をつけたいこと。「ありのままの私を愛して」はNG!【著者インタビュー】
更新日:2017/2/27
離婚。それはすると最初は相手を責め、次は自分を責め、しまいにゃ「もう誰ともうまくいかないのではないか」と思ってしまうほど、心に深い傷を残すものだ。実際離婚は配偶者の死に次ぐストレスだと言われていて、経験すると自分に自信を失くしてしまいがちになる人も多い。
「日本では結婚したカップルのうち、3分の1が別れています。もはや離婚は珍しいことではないし、白馬の王子様は2度3度やってきます。だから離婚したって大丈夫ですよ!」
と語るのは、恋人・夫婦仲相談所所長の二松まゆみさんだ。二松さんはなんと20歳年下のパートナーと2度目の再婚をすることになった、まさに“再婚の達人”(なんだそりゃ)。2婚3婚を目指す人に向けた『堂々再婚 何度でも結婚できる技術』(WAVE出版)を出版した二松さんに、「再婚のススメ」について伺った。
世間体なんて、思い込みに過ぎない
この本を書いたきっかけは、相談者のなかに「夫婦仲は破綻しているけれど、経済的に自立できない」「愛していないと言われているけど、世間体が気になって」などの理由で、離婚を思い留まる人が多くいたことだった。ポジティブな未来をもたらすのであれば、離婚して新たなパートナーを探す選択は悪いものではないと思ったし、すでに離婚した人に対しては「一度失敗したし、もうおひとりさまでいい」と決めつけないでほしいとも思ったからだそうだ。
二松まゆみさん(以下、二松)「私の周りにはバツありの女性がたくさんいて、その多くがおひとりさま関係の本を読み漁っています。確かに1人の自由も素晴らしいと思いますが、人生は愛という魔法の雫が加わることで、よりバラ色に輝くと私は思うんです。『老後は友達とシェアハウスで暮らす』もいいかもしれないけれど、『そのシェアハウスにも異性がいたほうがきっと楽しいよ』と、おひとりさま志向のバツあり女性たちに言いたくて」
離婚=戸籍に傷、という表現もあるように、離婚した女性に対する風当たりは、まだまだ強いのが現実だ。しかし離婚や再婚は今やネガティブな問題ではないし、むしろ一度誰かに選ばれたモテ女として、自信を持ってほしいとアドバイスする。
二松「離婚して人生に失敗したと考えるのではなく、1人の王子様に選ばれたことを強みにして、自己肯定するべきです。『私なんか』と卑屈にならずに、どんどん周りに『離婚したので、誰か紹介して』とアピールしてください。相席居酒屋や趣味のサークルなどにも顔を出して、積極的に狩りに出かけること!(笑) 私もずっと『年下で謙虚な人が好き』とあちこちで言っていたら、そういう人に出会えましたから」
二松さんは今年、20歳年下の男性と2度目の再婚をする。論より証拠を自ら証明した訳だが、その際に心がけていたのはターゲットを狭めないこと。「年が離れ過ぎている」と敬遠していたら相手の良さに気づけない。また同じ人は2人といないから、過去の失敗にこだわっていてもいけないそうだ。
二松「生理的に無理な場合は仕方がありませんが、会って早々に『この人は対象ではない』と切り捨てずに、視野を広げてください。『前と同じ失敗を繰り返したら……』としり込みするかもしれませんが、相手は前の夫とは違う人ですから相性も違うはず。
よく『再婚なんて世間体が』という人もいますが、私は『世間って何? 世間って誰?』 と思っています。それに世間なんてものが本当にあるなら、幸せになって見返してやればいいんです!」
「ありのままの私を愛して」は却下!
子どもがいることで、再婚に踏み出せないという人もいる。またどちらかに連れ子がいる場合、ステップマザーorファザーとなった側が連れ子とどう接していいかわからず、結局うまくいかなくなるケースも多い。しかしそれは徹底的に話し合うことでクリアできるのではないかと、二松さんは見ている。
二松「相手を好きなあまり『結婚すればなんとかなる』『なるようになる』と思ってしまうことがありますが、子どもがいる場合は連れ子と実子に格差が生まれないよう、再婚前に徹底的に話し合ってほしいと思います。それこそ相手の嫌なところや『こうしてほしい』といったことを同じ数ずつあげて話し合う、感情の棚卸し作業をしてください。結婚経験のない若い女性なら、『理想の男性キター!』と勢いで結婚してもいいと思いますが、大人同士の再婚は、勢いだけではできないものです。
でも『私は子どもがいるから』と、子どもを理由に再婚をためらうのは、とてももったいないと思います。子どもには『ママが幸せになることであなたも幸せになれる』と話せば、きっとわかってくれるはず。過去にとらわれることなく、2人で次のステップに進むことをぜひおススメしたいです」
さらに「バツあり女性の再婚には、寛容さも必要」だと語る。
二松「仕事が忙しい男性に向かって『寂しい~』と拗ねるのは、若くてバツなしの女性が陥りがちな失敗です。そこは“チョイ妻感”を出して、どうか寛容に見守ってください。仕事が終わったタイミングでセクシー攻撃を仕掛ければ、そのギャップに相手はときめくはずですから(笑)。
誰かと一緒に生きるためには、相手への気遣いは不可欠です。『ありのままの私を愛して』と、わがまま放題ふるまうのは却下! 前の結婚生活をもとに、相手がどうしたら怒らないか、楽しんで過ごせるかを考えて行動してください。そのためには以前の日々を思い出しながら『こうしたら浮気した』『こうしたら喜んだ』『こうしたら怒った』といったことを、紙やパソコンに書き出すこと。文字にすると学びを得やすくなるので、ぜひお試しを」
高齢化社会を迎えた今、40代で離婚したとしても倍かそれ以上の時間を生きる可能性がある。1人で過ごすか誰かと生きるかは、最終的には自分で決めればいい。しかし「もうオバちゃんだし」とか「誰とも無理」とかネガティブな理由で再婚を諦めたら、それこそ人生がもったいない。この本は「1人も飽きたし、そろそろ誰か探そうかな」と思った際の、力強い指南書になるだろう。
取材・文=玖保樹 鈴