「印象」と「結果」が180度変わる!仕事ができる人の「話し方」3つの例

ビジネス

更新日:2017/4/10


 

 あなたのまわりの「あの人は仕事ができる!」「いい仕事をしている!」という人を思い出してみてください。実際の仕事ぶり以外にも共通点があるはずです。たとえば、朝早く出社する、本をたくさん読んでいるなど、いろいろある中で、「一緒にいると元気になる」といったことはないでしょうか。そういう人は「いい空気をつくる」ことに長けているとも言えます。いい空気づくりに欠かせないのは、「言葉の選び方」です。そのための“ちょっとしたコツ”をご紹介しましょう。

『「話し上手」「伝え上手」が大事にしている47のルール』は、我々コンサルタントが、現場で実際に活用し、効果を検証してきた具体的な表現を、シーンごとにたくさん例示しました。ここでは、本書のエッセンスをお伝えします。

 

「自己紹介」で使わないほうがいい言葉、知っていますか?

 初対面の相手への自己紹介は、実はみなさんが思っている以上に大切なものです。そんな大切な自己紹介で、NGな言葉があることはご存じですか? 次のように「残念な自己紹介」の言葉を使っている人をよく見かけます。

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「こんにちは。○○と申します。△△という会社なんですが、一応大企業各社様とも取引がございます。よろしくお願いします」
短い自己紹介の中に“一応”など自分を低める言葉が入っているのにお気づきでしょうか。初対面でネガティブワードを聞いてしまうと、相手は「なんだか心配な人だ、この人に任せて大丈夫かな」と不安になってしまいます。それに対して、
「こんにちは、化学繊維には強みのある△△社で営業をしております○○です。今回は、質の高い新素材という観点でお役に立つ情報を提供できると思います。よろしくお願いいたします」

このように、明確に言い切りながら話をするだけで、印象はまったく変わってきます。謙虚であることは大事ですが、自分や自社をいたずらに卑下する必要はありません。最初に相手の感じる期待値が下がってしまうと、その後の話にも関心を持ってもらうことができないので損になるのです。もし、あなたが自己紹介のときネガティブワードを使っていたとしたら、とてももったいないこと。自己チェックしてみましょう。

 

「もし~」を使えば、話が自在に弾み出す!

 人から好かれる人、一緒にいて心地よい人というのは、自分だけ一方的に話をしたりはしません。相手が答えやすい問いを投げかけて、自然にお互いが会話に参加している、というムードをつくります。会話が自然に流れていくAさんの例を見てみましょう。

Aさん「今日は本当にいい天気ですね。もし、今日がお休みだったら何をしますか?」
Bさん「そうですね、やはり外に出て、ゴルフでもしたいですね」
Aさん「ゴルフですか。いいですね。年に何回くらい行かれるのですか?」
Bさん「三回くらいのものですけどね。本当はもっと行けるといいんですけれど」

Aさんは、「もし~なら……」というフレーズを使い、自然にBさんが話したいことを話せる状況をつくっています。このように、相手が答える際のハードルを下げることで、会話の進み具合が大きく変わってきます。相手が気を遣わずに話をできる状態をつくっていく工夫が必要なのです。

 

つい陥りがちな「話しすぎの罠」に落ちない方法

 一般に、会話の基本は、自分の話す量が「三」、相手が話す量が「七」にするのがいい、と言われています。しかし、誰もがつい「話しすぎ」の罠に陥りがち。相手の話を聞くという行為は疲れますが、自分の話をするとき、人は満足感を覚えるからです。相手との信頼関係を築くためには、とにかく言葉を短くして自分の領分である「三」を超えないようにすることが大切です。しかし、いくら自分が手短に話をしても、相手がいろいろと話をしてくれなければ会話としては盛り上がりませんね。そこで、相手に話をしてもらうためにも、質問を投げかけることが有効です。質問をする上で一番簡単な技は、文末を疑問形にすること。「なんだ、当たり前のことじゃないか」と思った方は、ちょっと待ってください。次の例のように、言葉の最後を疑問形にするだけでも立派な質問になるのです。

「御社のサービス領域の中でも、おもなものは○○サービスですよね?」
「やはりコスト削減は意識されているのではないでしょうか?」
「こちらの商品はコスト削減にダイレクトに効果を発揮しますので、検討しやすいかと思いますが、いかがでしょうか?」

 何気ない言葉のいくつかを質問の形にするだけで、やり取りをするチャンスが広がります。「相手に話させる場面」を、意識してできるだけ増やしましょう。

 このように、本書でご紹介する「言葉の選び方」は、すぐ使えるものばかり。使えそうなものから活用し、いい仕事につなげていっていただきたいと思います。

 

文=citrus 野口吉昭

【関連書籍】

『「話し上手」「伝え上手」が大事にしている47のルール』(三笠書房)