独り言を言っている人の心理は? 大切な試験や仕事の前に漫画を読んでしまうのはなぜ?「しぐさ」に隠された本心

人間関係

公開日:2017/2/28

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    『相手のホンネは「しぐさ」でわかる』(匠英一/PHP研究所)

 無意識にやってしまう「しぐさ」。平常心でいる時にはあまり出なくても、緊張した時や不安を感じた時などに出やすいのではないだろうか。よほど不快でなければ、他人の「しぐさ」をそれほど気にすることはないかもしれない。しかし、何気ない「しぐさ」には、実はその人の本心が表れている。つまり、注意深く観察していれば、相手の考えていることを理解できるかもしれないということだ。

『相手のホンネは「しぐさ」でわかる』(匠英一/PHP研究所)では、この「しぐさ」という無意識の行動に注目し、シチュエーション別に深層心理を解説している。本書によれば、「しぐさ」だけで相手の心は概ねわかるそうなので、ぜひとも参考にしていただきたい。

■怒られて独り言を言っている人の心理

 独り言は、困っている時や迷っている時などに出やすくなるそう。著者は、口に出す必要のない言葉を発声してしまうのは「退行現象」であると解釈している。子どもが遊びながら、つぶやき続ける行動だ。大人であっても、困惑した時などは、一時的に子どもに戻ってしまうことがあり、独り言が出てしまうようだ。そのため、会社などで怒られた後に、心の声を口に出してしまう人がいる。しかし、これは一時的な現象なので、うろたえてブツブツ言っている人がいても、温かく見守ってあげてほしい。

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■ひとり暮らしの部屋で独り言をつぶやく人の心理

 ひとり暮らしをしていると独り言が多くなるというのは、よく聞く話。身に覚えのある方も多いのではないだろうか。誰もいない部屋で、ひとりで話している自分に気付いた時、「私は寂しいのだろうか?」と少し不安になったこともあるかもしれない。しかし心理学的には、この場合の独り言は、自分に刺激を与える行為らしい。1950年代に行われた実験では、外部からの刺激が遮断されると、思考能力が低下し、場合によっては幻覚や幻聴まで現れているのだ。著者は、ひとり暮らしの独り言は、平常心でいるための刺激であり、自己防衛であると指摘している。とはいえ、独り言が増えてきたと感じた時には、音楽を聴くなどの気分転換をすることが推奨されている。

■試験前夜に漫画を読んでしまう心理

 大切な試験や仕事の前、切羽詰まっているにもかかわらず、つい漫画を手に取ってしまい、気付いたら何時間も経っていた…という経験のある方も多いのではないだろうか。このような行動は「セルフ・ハンディキャッピング」と呼ばれる。努力すべき時に、怠けて自ら不利な条件を作り出す、というものだ。これは、結果が良くなかった時に、そのショックを和らげて心を守ろうとする行為らしい。ある程度は必要な行為なのかもしれないが、どんな結果でも受け入れられる強い心を持って、大切なことに集中したいものだ。

■ハンドルを握ると人が変わる心理

 普段は穏やかなのに、ハンドルを握ると気性が荒くなる人がいるが、これには「パーソナル・スペース」が関係しているようだ。車に乗っていると、車の周りにパーソナル・スペースを確保しようとして、後続車が車間距離を詰めてくると、アクセルを踏んで引き離そうとしたりする。その時、パーソナル・スペースを侵害した相手に対して臨戦態勢になり、アドレナリンが分泌されて攻撃的になる。さらに渋滞時などは、ストレスが高まるので、より攻撃的になりやすいそうだ。

 他にも、本書では様々な「しぐさ」の持つ意味が解説されているので、気になる方は、チェックしてみてはいかがだろうか。コミュニケーションが難しい相手や、気になる相手の「しぐさ」を観察すれば、ヒントが見つかるかもしれない。裏を返せば、あなたの本心も「しぐさ」に表れているということなので、ご注意を。

文=松澤友子