歌舞伎町が再び血に染まる…誉田ノワールの真骨頂『歌舞伎町ダムド』ついに文庫化!【インタビュー】

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更新日:2017/6/4

伝説の殺し屋集団〈歌舞伎町セブン〉とは?

一人の元締めと3人の“手”、3人の“目”。7人からなる 〈歌舞伎町セブン〉は、裏社会のダークヒーローだ。歌舞伎町とそこに生きる人々を守るため、法では裁けぬ悪を始末する。

市村光雄
四代目関根組組長。暗殺対象の調査、見張りなどを担当する“第一の目”。死体処理を専門とする。〈旧セブン〉でも“目”を務め、古くから陣内を知る一人。『歌舞伎町セブン』では、陣内に復帰をうながした。40代半ばだが、年のわりに童顔。よく銃をチラつかせてスゴみ、振る舞いが親分っぽい。杏奈にはなぜか「市村クン」と呼ばれている。

陣内陽一
殺しを実行する“第一の手”。「欠伸のリュウ」の異名を持ち、タングステン合金の針を相手の脳幹に刺して即死させる。見事な手際で自然死にしか見えない。13年前の火災で〈歌舞伎町セブン〉は一度消滅し、それが大きな心の傷になっていた。普段はゴールデン街のバー・エポのマスター。そこはかとなく悪の魅力が漂い、色気があって女性にモテる。意外に料理上手。杏奈をかわいがり、見守っている。

斉藤杏奈
かつて元締めだった平松組組長・吉郎の孫娘。21歳、強い瞳の美人。普段は歌舞伎町の老舗酒屋の店主。生まれも育ちも歌舞伎町で、ホームレスでもキャバ嬢でも分け隔てなく接する真っ直ぐな性格。父母はいないが吉郎に愛されて育ち、陰がなく明るく素直。『歌舞伎町セブン』で、元締めを継ぐ決意をする。

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上岡慎介
歌舞伎町を専門にするフリーライター。周囲からは胡散臭いペンゴロと思われているが、大切なネタのためには脅しにも屈しない気骨の持ち主。町会長・高山の死亡事件を小川とともに探るうち、〈歌舞伎町セブン〉の存在を知り、仲間になる。職業柄、情報収集能力に優れる。

ジロウ
ミサキ同様、市村とつながる暗殺者。やはり過去は謎に包まれている。暗殺方法は、力技で相手の首を胴体から引き抜く。殺人の証拠は残らず、首吊り自殺に見える。190cmを超える長身で、非常に筋肉質。恐ろしいほどの無口だが、ミサキのことは気遣っている様子。几帳面で生真面目な一面を持つ。

ミサキ
市村とつながる暗殺者で、過去はまったくの謎。殺しには銃を使うことが多いが、格闘技術も超一流。ジロウとコンビで行動し、普段から彼相手に訓練を欠かさない。美しく整った顔だが、ゴムマスクのように無表情。口調が乱暴で気が短い。しかし意外に世話焼きで、不器用な性格と思われる。

小川幸彦
新宿警察署地域課の巡査部長として交番に勤務。父は新宿区長だったが、14年前に不審死を遂げた。死の真相を追求することに情熱を燃やし、その過程で〈歌舞伎町セブン〉に加入。“目”として、〈セブン〉自体を見張る役割も担う。メンバーであることに迷い、善悪の意味を問い続けている。
 

そして世界は『歌舞伎町ダムド』へと動く!

『歌舞伎町セブン』から1年。“ダムド”を名乗る殺戮者が、新宿を跋扈していた。全裸の男女を陵辱し惨殺することに快感を得る彼は、歌舞伎町封鎖事件でジウと出会い、自らもジウになろうとしていたのだ。一方、新宿署では警部補の東弘樹が〈歌舞伎町セブン〉に疑いの目を向けていた。しかしなぜか、不可解な人質立て籠もり事件ののち、裏社会の隅々に東抹殺の指令が下る。真相を探る〈セブン〉は、ついに東と共闘することに。その最中、ただ一人葛藤を抱えるミサキと、彼女を気遣うジロウ。二人には壮絶な過去があった。そして、すべては再び動き出した〈新世界秩序〉の陰謀へとつながっていく!

東 弘樹
警視庁捜査一課でジウと闘う。現在は、新宿署刑事課強行犯捜査第一係の警部補。〈セブン〉を疑い、陣内とはある種特別なつながりを持つ。誉田さん曰く「『ルパン三世』の銭形警部のよう」。

ダムド
ジウの後継者を名乗る残虐な殺戮者。新種の麻薬によって痛みを感じない。東を狙う一人。

取材・構成・文=松井美緒 写真=山口宏之 イラスト=イシデ電


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