「決断力」が人生を劇的に変えるカギ! 今すぐ身に付けて先延ばし癖にサヨナラ
公開日:2017/3/13
世の中には物事の中心にいていつも周りを動かしている人と、誰かの決断に従って動かされている人がいる。だから、どうせなるなら動かす人になりたいと思うが、思うだけでなかなかそうなれないのはどうしてなのだろう? その理由を知るために、『結局、「決められる人」がすべてを動かせる』(藤由達藏/青春出版社)を取り上げる。
何を決めるかよりも決断するかしないかが重要
人は毎日たくさんの決断をしながら生活している。決断といっても無意識のうちにしていることが多く、ほとんどは「どっちにしよう」などと悩んだ記憶さえ残らない。しかし、そんな取るに足らないような決断でさえ早いか遅いかで1日にできることの量に差ができてしまう。だから、重要な決断をなかなかできずに先延ばししてしまうと、どんどん差が大きくなってしまうのだ。
重要な局面で物事の決定を迫られると、どっちを選ぶのが正解かということを考えて迷ってしまいがちだ。どっちを選ぶかで結果が大きく違ってしまうと思うと答えが出せなくなってしまうからだ。しかし、どっちを選ぶかで生じる差よりも、決定するかしないかで生じる差の方が断然大きい。
どちらに進むかを決めてしまえば、あとは案外そのまま進んでいける。やると決めたら先に向かって歩き出せるものなのだ。だからいつまでも悩んでばかりで決められないのは時間の無駄遣いだ。正しいかどうかなど悩んでいてもわからないのだから、さっさと決めて動き出せばいい。動き出したら、後はそちらに進むことが正解になるように、しっかり結果を出していけばいいだけだ。
なかなか決められない人の共通点を知る
すぐに決められる人となかなか決められない人にはそれぞれ共通点がある。だから、決められる人はいつも決められるし、決められない人はいつも決められない。そこで、この本では、最初になかなか決められない人の共通点を11項目挙げ、何が決断を妨げているのかを知るところから始まっている。例えば、決められない人は、必要以上に失敗を恐れたり、不安を自分で作り出したりする傾向がある。また、誰かが決めてくれるのを待つ癖がついている人も自分では決められなくなってしまっている。自分の決断を邪魔している性格がわかれば、直すべき点も見えてくるというわけだ。
決められる人の考え方を学び決められる自分に変わる
この本では、自分の決断を邪魔している性格を知り、直すべき点がわかったら、今度は決められる人の考え方を学んで自分でも身に付けていくというやり方をしている。それは、生まれつき決断力のある人とない人がいるわけではなく、いろいろな体験を積んでいくうちに決められる人と決められない人に分かれていくからだ。例えば、決められる人は、さまざまな体験を通して、今すぐ決めても先延ばししても出す答えはほぼ変わらないということを学んだため、時間を無駄にせずに済むためにすぐに決められるようになっているのだという。つまり、決められない原因を知ってその部分を直すだけでなく、決められる人と同じ考え方を身に付けることで、決められる人に変わっていけるというわけなのだ。
この本では、自分の思っていることを紙に書き出す、シミュレーションするということを随所で提案している。どこで躓いて決断できずにいるのかをハッキリさせるために、自分の考え方を目に見える形に書き出すのだ。シミュレーションは、未来の不安を取り除くための練習。予測できないから不安になるなら、予測できる形にすれば決めやすくなるだろうという発想だ。どちらも簡単にできることなのだが、それをやってみるという決断ができるかどうかが問題。ここでも決められる人になれるかどうかが試されている。
文=大石みずき