カラダの不調「座りすぎ」が原因かも!? 長時間デスクワークによる“猫背”に注意!
更新日:2018/10/4
なかなか改善されない長時間労働問題。無理をしがちな環境の中で、なんとなく身体がだるい、疲れが抜けない、病院に行くほどじゃないけど、体調がすぐれないという人は多いのではないだろうか。
その不調の一因はデスクワークの「座りすぎ」によるもの。長時間のデスクワークで病気のリスクが高まると警鐘を鳴らし、肉体的にも精神的にも「健康」な、理想の自分に近づけるための方法を教えてくれるのが『座りっぱなしがあなたの健康を蝕む 本当は怖いデスクワーク』(佐々木さゆり/日本実業出版社)だ。
本書によれば、ここ数年、世界各国では“座りすぎ”による健康への悪影響についての研究が進んでいるという。座位時間が長ければ長いほど死亡リスクが高まり、イギリスやアメリカの研究論文では、肥満、糖尿病、高血圧、がんなどの病気や不調の原因になることが指摘されていると本書は記す。そうした中、「日本人は世界で最も座る時間が長く、1日平均8~9時間も座っている」というオーストラリア・シドニー大学の調査結果も紹介されている。
著者はこれまでに、のべ3万人を超える人たちの心と身体の健康に関わってきた「健康のプロ」。自らも、長時間デスクワークをする中で、生活習慣の改善と考え方の修正で、肥満、便秘、肩こり、アレルギー体質を改善。それにより、仕事に向き合う姿勢から充実感までもが変わったという。本書では、長時間、デスクワークをすることのリスクを解説するとともに、そのリスクを回避し、ベストパフォーマンスを維持できる理想の状態に近づける予防法、対策を紹介している。
長時間座っていることで高まる病気のリスクは実にさまざま。例えば、“猫背”になることで、便秘や痔になることはなんとなく予想できるが、口呼吸になることで口の中が乾燥し、細菌やウィルスに感染しやすくなるのだそう。また、座りっぱなしで身体を動かすことが減っているにもかかわらず、食事の量が変わらなければ、肥満や糖尿病になりやすくなる。さらに、座りっぱなしによって、血流が悪くなることで高血圧になり、そこから突然死を招くこともある心疾患につながる可能性があるというから怖い。
本書では、それぞれのリスクについての自己チェックリストがあり、自分があてはまるかどうか確認できる。そして、その予防・改善法が、心理学・食事面・身体機能の観点から具体的に示されている。
「オフィスで座りながらすぐできる!予防・改善ストレッチ法」では、“猫背”“ストレートネック” “ポッコリお腹、便秘”などの予防・改善ストレッチとして、誰でも簡単にできる動きをイラスト入りで紹介。他にも、ストレスに負けないメンタル対策や、健康的なオフタイムの過ごし方が、わかりやすく解説されている。
習慣や考え方は一度身についてしまうと変えられないもの。だからこそ、早いうちから意識し、不調になる前に、心身ともに良い状態にしておくことをおすすめしたい。病んでしまってからでは、遅いのである。
文=三井結木