占いで未来が正確に予測できるわけではない、しかし占い師を訪ねる人は後を絶たない。同じく、初詣に行ったら必ずその1年が家内安全とは限らないし、カツ丼を食べた受験生が全員合格するわけでもないだろう。それなのになぜ人は占いやまじないを頼り、験（げん）担ぎをしてしまうのか。ハリー・ポッターの魔法や呪文に魅力を感じるのか？

　女性誌などの雑誌連載や著書も多く、絶大な支持を得る心理占星術研究家、鏡リュウジ氏は本書『決定版 どんな願いも叶う！ 鏡リュウジの魔法の教科書』（ぴあ）の中でこう述べている。

魔法にできるのは、大抵の場合、せいぜい、小さな偶然を招くことくらいです。しかし、魔法の効果はまず、あなた自身にもたらされます。つまり、そのものに対する意識が強くなるということです。

　例えば「恋をしたい」と願う人が恋のチャンスをもたらす魔法を使ったら、これまで以上に出会う人に興味を持ち、おしゃれに積極的になり、結果的に恋愛の機会が増えていく。

　つまり魔法とは本人の願いや意志、こうなりたいという想像力を明確にし、そこに意識を集中させて強め、それらが妨げられることなく叶うように助ける太古からの知恵の集積なのだ。人は科学が発達した現代でも、無意識にそれを実行する。魔法は今も健在だ。

オリジナルの魔法で、自分らしい幸せを掴み取る！

　では早速願いを叶える魔法を使ってみよう。本書の特徴は、どんな願いにも対応できること。オーダーメイドの、あなたにぴったりの魔法がかけられる。一番簡単なのは、3章「魔法のアイテム」事典や4章「聖なる存在」への頼み方を参照し、それらを生活に取り入れること。

　少し上級者向けにはなるが、願いにふさわしいアイテムが複数あるなら、それらを組み合わせてより強力な魔法を作り出すことも出来る。

　もちろん他人を陥れたり、誰かが不幸になったりするような魔法はタブー。だから著者は魔法をかけるときにこう願うようにすすめている。「○○できますように、そうなりますように。ただし、それがこの世界にとって良いことである限り」と。

文＝青柳寧子