本格エスニック料理を「つくりおき」! 調理時間はたったの10分から! 野菜たっぷり全100品レシピ!【作ってみた】

食・料理

公開日:2017/3/22

『エスニックつくりおき』(エダジュン/パルコ出版)

 つくりおきレシピの本は多くありますが、エスニック料理のつくりおき本は珍しいのでは? 『エスニックつくりおき』(エダジュン/パルコ出版)は、さまざまな「エスニックつくりおき」レシピが100も紹介されています。ここ最近パクチーブームですが、著者は“パクチーボーイ”名義でも活躍中。もちろんパクチーを使った「つくりおき」も豊富に載っています。王道のグリーンカレーやガパオのほか、ちょっと和風にアレンジしたレシピも。いずれのレシピもナンプラーをはじめエスニックな調味料やスパイス、ハーブなど、なにかしら必要ですが、揃えれば、一気に幅が広がりそう! 今までナンプラーやグリーンカレーペーストを買ってもグリーンカレーを作る以外は使い道に困ったりしていたのですが、こんな使い方があったんだ! というレシピ満載で、エスニックの世界が広がります。調理時間と保存日数がわかりやすく表示されてあって、調理時間は10分、15分、長くても30分で食材の数も少なめ、作り方も簡単。ページをパラパラめくると、つくってみたいものがあれもこれもとワクワクしてきます! 

1、コクと旨味の浸み込んだ、「鶏肉とナンプラーの塩麹漬け」(P.30)


 材料は鶏もも肉に、ナンプラー、塩麹、ローズマリー。2時間ほど漬け込み、220℃のオーブンで20分焼けばできあがり。いたって簡単なのに、見栄えも味もしっかりのボリューム感。塩麹がぎゅっと鶏肉の中まで浸み込んでいるからコクと旨味があとをひき、ご飯が進みます。エキゾチックな香りを添えるナンプラーの隠し味とローズマリーとの相性も抜群です。冷蔵庫で4~5日持つので、たくさん作っておいてお弁当や丼ぶりにもしたいです。調味料には雑菌の繁殖を抑える効果があるそうで、つくりおきできるように、レシピは少し濃いめの味付けにしているとのこと。

2、いつもの照り焼きが新鮮! 「ブリのグリーンカレー煮」(P.58)


 ブリというと照り焼き、塩焼き…と和のイメージですが、ブリとグリーンカレー!? 想像つかないかもしれませんが、これが合うんです! グリーンカレーペーストのこんな使い方があったなんてと目から鱗。ブリに、しょうが、上白糖、しょうゆ、酒、水、ここまではほぼ普通の照り焼きなのですが、そこに、こぶみかんの葉とグリーンカレーペーストが加わりエスニック風味に。甘辛くてちゃんと白いご飯にも合うんです。グリーンカレーが後からピリリと効いてきて、こぶみかんの葉もブリの青魚特有の生臭みとこってりした味わいに爽やかさをプラスしてくれています。タイ語でバイマックルーと呼ばれるこぶみかんの葉は、柑橘系のライムのような香り、なかなか置いてあるお店は少ないですが、今ではネットや輸入食材のお店などでも手に入れることができます。

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3、ほのかな酸味、フルーティーな「大根とにんじんのなます」(P.77)


  おせち料理でおなじみの紅白なますをエスニック風にアレンジ。大根とにんじんを千切りにし、塩を揉み込んだら、りんご酢、三温糖、ナンプラーを入れて混ぜます。酢をりんご酢にすることで、ほんのり甘く、酸味も控えめだから、たくさん食べたくなります。ナンプラーが入っているのはいい意味でほとんど感じられず、さりげない隠し味に。辛いエスニック料理の付け合わせにあると、中和してくれて、箸が進むこと間違いないです。さっそくグリーンカレーのピクルス代わりにしてみました!

文=早川いづみ