「スマホ育児」していませんか? スマホ依存によるママのイライラ、子供のイヤイヤを解消する方法
更新日:2017/4/4
ご飯を作っている最中に、子どもが「ママ、遊んで」と言う。家事が終わってやっと一息…というときに、「ママ、絵本読んで」と言う。子どもは可愛いけれど、なにかと忙しい母親だから、すこしは自分の時間も欲しい。そこでスマホを渡すと、一人で大人しく遊んでくれる。
現代の母親あるあるかもしれない。これが悪いということではない。
しかし、次の項目にわが子が当てはまるようなら、もしかしたら、わが子が「スマホ依存」に陥っているかもしれない。
(1)スマホを与えないとかんしゃくを起こす
(2)無表情で反応がうすい、笑わない
(3)友だちと遊ぶのが苦手
(4)外で遊ぶより、スマホの動画やゲームが好き
(5)寝る前にもスマホにさわり、早起きが苦手
スマホの強い刺激や、親子の触れ合いの減少は、子どもの言葉や情緒の発達を遅らせて、「キレる子」「問題行動を起こす子」にさせやすいというのは、3月23日(木)に発売された『スマホ育児に注意! 親子のためのモーツァルトCDブック』(篠原 佳年/主婦の友社)。著者は、聴覚カウンセラー協会代表も務める医学博士の篠原佳年氏。
わが子が「スマホ依存」ならば、それをよしとする親はいないと思うが、とはいっても一度生活スタイルに組み込まれたスマホを子どもから取り上げるのは、子にとっても親にとっても難しい。
そこで本書が提唱しているのは、モーツァルトの音楽による聴覚セラピーだ。誰もが知るモーツァルトの音楽だが、本書がこの天才音楽家を挙げるのには理由がある。
世界で知られる聴覚分野での権威・トマティス博士は、聴覚障害の治療のために、数多くの音素材を試したところ、民族の垣根を超えて最も多くの健康効果が認められたのが、モーツァルトの音楽だったという。その効果とは、自律神経を整え、言葉を学ぶ子どもの発達を促し、脳を活性化させること。
新生児は、この世の“すべての音”を聞き分ける「完全な耳」を持っているといわれる。しかし、人は成長するにつれ、自分が所属する民族の言語が聞き取りやすいように耳を「民族耳」というフィルターをかける。また、自分にとって不快な音やストレスなる音が聞こえないよう、耳に「保身耳」というフィルターをかける。こうして、耳の能力に制限を課すのだが、モーツァルトは大人になっても「完全な耳」を持っていたという。モーツァルトは、普通の人には聞こえない美しい音が聞こえるように音に変換していた。だからこそ、人は無意識のうちに、モーツァルトの音楽に心身ともに癒される。
モーツァルトの音楽を使った「トマティス・メソッド」は、フランスでは数十年も前から胎教で実践されており、このメソッドを応用した聴覚セラピーは、次の5つの医学的効果が認められている。
(1)血行改善
(2)代謝UP
(3)頭脳活性化
(4)快眠促進
(5)聴力改善
なにより、親子でモーツァルトの音楽を聴くことで、安らいだ空間の中で、コミュニケーションがとれる。
スマホ育児から一気に抜け出すのは難しいかもしれないが、朝の目覚ましや夜の子守歌代わりにモーツァルトの音楽を聴くことで、子どもがスマホに依存する時間は減る。やがて、親子とも、自然な形でスマホから意識が離れるかもしれない。
本書は、モーツァルトの音楽の音楽を効果的に聴く方法や聴覚セラピーの重要性をまとめている。10の名曲もCDに収録されており、お得な一冊だ。
文=ルートつつみ