朝7時のスキンケア、昼12時の回転寿司…桐谷さんのように「株主優待生活」をおくる方法とは?
更新日:2017/3/27
2016年11月、トランプ大統領の誕生直後から、為替・株価の不安定な変動が懸念されている。今後、円高ドル安にすすむのか? 今トランプ相場といわれているアメリカの株価、そして日本の株価はどうなるか? トランプ氏のツイッターの発言ひとつで日々変化する市場の分析は、専門家であっても難しい。
しかし、予想はつきにくくても、こんなときこそ、比較的少ない投資ではじめられる株運用のチャンスだという。そこで、ぜひ手に取りたいのが『見て楽しい株主優待 2017年上期』(徳間書店)である。
最近は、手軽さとおトク度から、注目する人が右肩上がりに増え続けている株主優待。「株主優待生活」で有名な元・プロ棋士の「桐谷さん」の域には達せなくても、リスクの少ない中・長期的な計画で株を購入し、夢の極楽株主優待生活への第一歩を踏み出したい。そのためにはまず、魅力的な「株主優待」と「配当利回り」を知ることが大切なのだ。
本書は、株主優待実施企業の完全データを1307社分網羅し、「いくらから買える?」「配当利回り順」「都道府県順」「50音順」「証券コード順」で選べる便利なインデックスが付いている。また、上場企業の女性IR担当者(企業が投資家向けに行なう広報活動担当者)が語る「株主優待品」の魅力にもふれ、特徴のある優待会社をカラーページで特集したページが目をひく。
例えば、本書で紹介されている「株主優待生活」のひとつはこうだ。朝7時「化粧品」でスキンケア、8時「コーヒー」を飲みながら朝食、11時「クオカード」で日用品の買い物、昼12時「食事券」回転寿司のランチ、15時、別の「クオカード」でおやつをゲット、18時、さらに別の「クオカード」で話題の新刊を購入、19時「ハム」「調味料」を使って夕食。休日には、ドライブの前に「カー用品買物割引券」で車用品を購入。「」内の品目は全て株主優待であるから、驚きだ。自分の生活に合わせて株主優待品や割引券を選べば、日々の暮らしがお得な上に、ちょっとした贅沢も楽しめそうである。
さらに、生活圏内で使える優待を知りたければ、「都道府県順」のインデックスが便利だ。「50音順」で企業から検索、無料でバスや電車に乗車できる電鉄系の「株主優待乗車証」や、食料品やセール品まで10%オフで購入できる百貨店系の「株主様ご優待カード」などもある。
また、株主優待の権利を得るためには、決められた「割当基準日」に株主になっていることが条件だが、このとき役立つ株主優待カレンダーがわかりやすい。配当金・売却益にかかる税金が非課税になるNISAも、運用例をみればぜひとも活用してみたい。
個人投資家に親切な内容が満載の本書。ハイリスク&ハイリターンで利益を求めるのではなく、株主優待品や優待券でお得に食事やショッピングやレジャーを楽しみ、その上、配当金までもらえる! そんな「株主優待生活」を始めたい人、もう始めている人にピッタリの、おすすめの1冊である。
文=秋月香音