ビートたけし、明石家さんま、所ジョージの番組はなぜ長続きするのか? 日本テレビの名プロデューサーが語る「テレビの3大天才」の情熱
更新日:2017/4/24
ビートたけし、明石家さんま、所ジョージの「テレビの3大天才」を間近に見続けた名プロデューサーがその秘密を明かす『たけし、さんま、所の「すごい」仕事現場』が、2017年3月30日(木)に発売された。
世間では、いつの間にか「一発屋」という言葉が一般名詞のように扱われるようになった。流行語になりそうな「一発ギャグ」と共にテレビを席巻し、そのブームが終わればいつの間にか画面から消えていくお笑い芸人たち…。彼らの存在は、栄枯盛衰激しい芸能界を象徴している。
その対極にあるのが長く「冠番組」「レギュラー番組」を持ち続ける大御所タレント。特にビートたけし、明石家さんま、所ジョージの3人は、今もテレビでその姿を見ない日はないほど。彼らはなぜいつまでもテレビに出続けられるのか? 彼らの出演する番組が長寿なのはなぜなのか? その秘密を「世界まる見え! テレビ特捜部」「恋のから騒ぎ」など数々の長寿番組を立ち上げた名プロデューサー・吉川圭三が解き明かす。
吉川は、たけし、さんま、所の3人からの信頼が厚いことでも知られている。彼らの「すごい」仕事現場を間近で目撃した吉川が披露するエピソードは、テレビに映る姿からは想像もできない「プロフェッショナル」ぶりにあふれている。
例えば明石家さんまは、いくら時間と金をかけて作った超高額セットでも「現場の空気に合わない」と思うと「いらんわ」とバッサリ切って捨ててしまう。それ以来、「テレビは空気が大事なんや」というさんまの哲学がスタッフの間に浸透している。
ビートたけしについては、「狂気の番組制作能力」と「人間味」が同居する魅力を掘り下げている。無茶ぶり、朝令暮改が当たり前のテレビの現場でも、なぜたけしがスタッフから愛されるのか…。数々のエピソードにその秘密が隠されている。
そして、これまであまり多く語られてこなかった所ジョージについて、吉川は「空気を作る天才」と評価する。どんな危険な話題も、どんな気むずかしい人物も、所にかかれば「品」と「優しさ」を持ってしまう。また、所は決して「カンペ」を読まない。そこには、所の「仕事の哲学」があるという。
テレビには映らない「3人の天才」のプロフェッショナルな仕事ぶりや、尋常ではない情熱を同書で体験してみてはいかがだろう。
吉川圭三
1957年、東京都生まれ。早稲田大学理工学部卒業後、1982年に日本テレビ入社。自ら立ち上げた「世界まる見え! テレビ特捜部」が大ヒット。その後も「恋のから騒ぎ」「特命リサーチ200X」「1億人に大質問!? 笑ってコラえて!」など数々の人気長寿番組に携わる。その後、制作局長代理、制作局エグゼクティブプロデューサーなどを経て、2013年より株式会社ドワンゴへ出向。現職は会長室・エグゼクティブプロデューサー。「ニコニコドキュメンタリー」の責任者でもある。著書に『ヒット番組に必要なことはすべて映画に学んだ』。
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