オヤジの話題についていけないのは、あなたの無教養が原因かも! 20代の「本当の教養」とは?
更新日:2017/4/24
本気で踏み出した歩数の数だけ人は大人になれるのだろう。なんとなく日々を過ごして社会に出てみてはじめて気づくのは、自分がいかに大人として薄っぺらであるかということだ。もう少し教養がほしい。できるならば、20代のうちには、しっかりとしていたい…。そんな人に文筆家・千田琢哉氏の『20代で身につけるべき「本当の教養」を教えよう』(学研プラス)は、強い武器になりそうだ。
本書には、千田氏がのべ3300人のエグゼクティブ、そして1万人を超えるビジネスパーソンとの対話から得た「誰も言わない教養の100の真実」が掲載されている。読めば読むほど、耳が痛い言葉の連続だが…本書のなかからいくつか教養を身につけるためのポイントを紹介してみるとしよう。
■「知りません。教えてください」のあとが、勝負
知らないことを「知りません」と言うのは、正しいことだ。だが、「わかりません。教えてください」だけではそのうち上司から愛想を尽かされるのも事実。忙しいなかで説明しなくてはならない先輩や上司の身になればわかるだろう。だからこそ、どれだけ相手にとって気持ちの良い相槌が打てるか、話を膨らませることができるのかが勝負。相槌の打ち方は、相手の話の流れを理解する読解力が求められるし、話の膨らませ方は教養が試されるのだから、気を配るようにしよう。そして、自分の無知を知り、真摯に知るための努力を続けるべきだ。
■どんなに疲れていても毎日1ページ本を読む習慣で教養は身についてくる
教養とは継続力だ。千田氏は「本を読み、それを習慣づけること」の大切さを強調している。読書だけで教養が完成するわけではないが、読書なしの教養はありえない。仕事でぶつかる壁は本ですべて予習でき、毎日必ず本を読んでいる人と、1年に1冊も本を読まない人とでは次第に会話が噛み合わなくなる。千田に言わせれば、本を読まない男性の話題といえば、女と車だけだし、本を読まない女性の会話といえば、男とお洒落に限られる。本を読み続けることは出会いのレベルを上げること。毎日本を読む習慣をつけて、読書家同士で見識を高め合おう。
■オヤジの話題についていけないのは、あなたが無教養だから
千田氏に言わせれば、オヤジたちの会話は面白い。彼が20代の頃、マルクスかぶれのオヤジ連中から教わった「マルクス経済」の長所は独学でいくら勉強しても到達できないほどハイレベルだったし、彼らから学んだあらゆる知識は現在の彼自身のなかで活きている。オヤジの話題についていけないのは、本当はオヤジの頭が古いからではない。単に自分が無教養だから、オヤジの話題がわからないのだ。すべてのオヤジを敬えとは言わないが、最低一度は謙虚に耳を傾けるべきである。面倒見のいいオヤジをあなたの味方にすれば、教養を高められるのだから。
「目上の人の君はどう思う? は俺に賛成の理由を教えての意味だ」「行動に移せないのは勇気がないからではない。頭が悪いのだ」「たった三行の企画書でも教養はにじみでる」…。背筋の伸びるような言葉の数々に思わず反省させられる。だが、この本には人を導こうという優しさがある。この本を契機とすれば、新しい自分になれる気がする。一歩先を示す羅針盤のような1冊。
文=アサトーミナミ