「海はフェロモンまき散らすイケイケ女なんだよ」高校生たちのくだらない会話劇が、やっぱり面白すぎる件。最新刊には読者提案の爆笑ネタも収録!?
公開日:2017/4/8
高校生たちの取り留めのない日常を描いたギャグマンガ『高校の日常』(ハードボイルドよし子/KADOKAWA)。登場するキャラクターたちが繰り広げるやり取りは、どれもこれも本っっっ当に「くだらない……」が、妙に面白くてついつい夢中で読んでしまう。これまでに発売された第1巻、第2巻の人気は相当なもので、重版もかかっているという。こりゃ、全国に「くだらないのにハマっちゃう……!」と困っている(?)ファンたちがいるに違いない。また、特設サイト上では本作を代表する「男子高校生の妄想」エピソードを元にした(ちょっと理解不能な)PVも公開されており、ますますその人気ぶりに拍車がかかりそうである。
そんな本作は、4月8日(土)に待望の第3巻が発売されたばかり。本編に登場するのは、全部で5組のコンビたち。なんでもかんでも女の子にたとえて妄想話を繰り広げる、橘×名護。暴力的なツッコみ系女子と暴言を吐くお嬢様の、照井×草加。腐女子妄想の被害者とやらしくなくない本が好きなムッツリ系女子、氷川×後藤。いつもオロオロする新任教師とそれを振り回す先輩、加賀美×仁藤。とにかくオツムが残念で仕方ないヤンキー二人組、桜井×秋山。ちなみに、橘と名護が「妄想」の対象にするのはどれもあり得ないものばかり。電気ケトル、紙相撲、紙パック飲料、傘……。これらをすべて美少女に見立て、エロいよな」「変態だぜ」と評する彼ら、頭が相当アレなことに違いはないだろう。(とはいえ、自分の高校時代を振り返ってみると、案外彼らと近しいことをしていたような気もするから否定しきれない)
登場するエピソードは、基本的に上記ペアが織り成すものばかり。しかし、第3巻ではイレギュラーな組み合わせも生まれ、これまで以上の爆笑を生み出している。特に氷川と名護のとある「勘違いエピソード」はお腹が痛くなるほど笑えるだろう。結構な下ネタのため、ここでは言及を控えておくが……。
ちなみに第3巻には、読者から「ネタにしてほしい」と提案されたアイテムを使い、ハードボイルドよし子先生がネタに仕上げたエピソードも収録されている。それらのアイテムは、第2巻発売直前にニコニコ静止画内で開催された、WEB読者参加型企画「いやらしくなくなくなくないキャンペーン」にて選ばれたもの。本作を愛してやまないファンが提案したアイテムで作られたネタは、また違った角度で攻めており、さらなる笑いをもたらしてくれるはずだ。
ちなみに、第3巻でツボだったのは下記のやり取り。
名護「いいか 山と海 これを女の子に例えて どっちがいいか説明するぞ」
名護「いいか 山といったら豊かな自然ときれいな水と空気 そして人を寄せ付けない感じが清楚で物静かなお嬢様みたいだろ」
名護「それにくらべて海は開放的でうるさい上に塩くさい 夏のテンションで開放的になってフェロモンまき散らす イケイケ女だ」
名護「つーわけで 海は人が多いから 嫌」
橘「女に例える必要 全くなかったな」
「夏休みにどこに行くか」を決めるだけで、こんな妄想で盛り上がる名護と橘はサイコーである。……もちろん、くだらないけどね。
文=五十嵐 大