あなたの“お金の実力”はどれくらい? 入社3年目までに知っておきたい「お金の話」
更新日:2017/4/7
新生活で初任給をもらう人もそうでない人も。「お金」は好きだろうか?
キライという人はめったにいないだろう。では、お金のことをどれくらい知っているだろうか。どれくらい…、といって「株やFXなら少々たしなむ」と思ったあなた!
のんき過ぎる。そんな発想では初任給でもらった20万円なんてあっという間に消えてなくなるかもしれない。こう警鐘を鳴らすのは、泉正人氏である。
泉氏は、日本で初めて“お金の教養”を学べるマネースクールを開いた人物。
いわく、今、お金について学ばないと、次のような格差が広がるだろうと。
“君と、君の同期や仲間のこれからの人生は、決して同じではありません。
今日している仕事は同じでも、10年経った頃には収入に差がつきはじめ、
20年後には、ある人は毎朝満員電車に揺られ、ある人は世界中を仕事で飛び回り、ある人は悠々自適な生活をしているかもしれません。”
学校を卒業する、というスタートはみんな一緒でも、お金の教養があるかないかで10年後には差が大きく開くという。新生活の区切りを迎えた今、あなたもお金について考えてみてはいかがだろうか。
■お金を知ることは自分自身を知ること
「お金」とひと言でいってもいろいろな側面がある。そこで入社3年目までに身につけておきたい「お金の教養」をコンパクトにまとめた書籍を参考にしていただきたい。泉氏の著書『社会人1年目からのお金の教養』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)である。
泉氏はお金の教養は次の4つの分野で生きてくると説明する。
●生活設計・家計管理
●経済や金融の仕組みを学ぶこと
●(お金に関わる)トラブル防止
●キャリア・人格形成
1番、2番、3番までは納得するだろうが、4番目の「キャリア・人格形成」とは何か?
“お金や金融の役割を理解し、それらが自分の生活や社会にどう活かしていけばいいのかを考えるのがお金の勉強であり、これを通じて、自分の生き方、価値観を確認していくものです”
つまり額の小さいところでは、自分のお小遣い。大きなところでは自治体の税金の使い方まで。お金をどう活用するか考えることは、「自分らしさ」を形成していくのだという。お金について考えることは、別に“いやしく” もなければ、“ひもじく”もないのだ。あなたの「人生」そのものについて学ぶことになるのだ。
■テストで自分の“お金の実力”がわかる
お金の教養は4つの分野に分けられると先述したが、その範囲は広い。経済や金融なんて一般の人が把握できるのか。そこはご安心いただきたい、泉氏が厳選した43の項目にコンパクトにまとめられている。しかし、43項目でも多いと思うなら、本書に掲載されている診断テストだけでも試してほしい。
例えば「お金の生活習慣病診断テスト」。ちょっとした生活習慣が日々積み重なると健康に影響を与えるように、無意識にお金との付き合い方を間違えていないかをチェックできる。お金も間違った付き合い方が積もり積もると気がついたときには取り返しのつかないことになるかもしれない。このチェックテストの一部は記事の終わりにあるのでぜひ自分がどのタイプが調べてほしい。
そう、お金の知識があっても行動に移せない、情報収集力がない…など自分のお金の「実力」を測れるのもこの本の特徴である。お金でダマされやすさをチェックしたり、自分の資産ポートフォリオという書き出し表もついている。
“お金に足を引っ張られる人生を送るか、お金に振り回されない人生を手に入れるか”
多くのことは、お金で解決できる。ということは、お金に余裕があればあるほど、選択肢が多い人生となる。あなたは自分の人生のイニシアティブを自分で握れるのか? それはあなたの学び次第だ。先ほど、お金の教養の43項目が多いと、述べた。だが逆に、たった43項目でもあるのだ。それによって、「お金」と「人生」の関係が決まってくる。
本書は「やるじゃん。」ブックスシリーズのひとつである。「やるじゃん。」ブックスは、絶対にNG!(だめじゃん)、基本的な考え方(まずは基礎)、ワンランク上の仕事(やるじゃん)が一目でわかる構成になっている。つまり、見出しページを斜め読みするだけでも、内容が頭に入るようにできている。
あなたの10年後が「やるじゃん。」と思われるかは、今にかかっているのだ。ぜひ本書を手に取り「お金の教養」を深めてほしい。
■お金の生活習慣病診断テスト(抜粋)
あてはまるものにチェックを入れて、A~Dそれぞれで合計点を出そう(チェック1つ=1点)
■あなたの苦手な分野はどこ?
一番点数の多いところが要注意の分野だ
文=武藤徉子