朝ドラ偏愛マンガ家がお届け!今週の『べっぴんさん』第10回「エバーグリーン」
更新日:2017/4/6
朝ドラ『べっぴんさん』の1週間分のストーリー&見どころを、朝ドラ大好き漫画家きっかさんがお届け! これまでの「あらすじ」をおさらい。見逃してしまった人は要チェック!
キアリスの物語も最終回を迎えました。「べっぴんさん」の中で私が好きな言葉が二つあります。
一つは神戸の靴職人麻田さんの「想いをこめたら伝わるんです。それが一番大事な事なんです」という言葉。とてもシンプルですが、物作りも、仕事も、想いがこもっているものは人の心をうちます。すみれが自分のやってきた仕事に自信をなくした時に麻田さんがこの言葉で励ましてくれました。漫画のお仕事も、作者がどれだけの情熱で作品に取り組んでいるか、読者に伝わるものだと思います。想いを込めて、真剣に取り組む…大事にしていきたいと改めて思いました。
もう一つは「淡々と」という言葉。
戦地から帰ってこない夫の紀夫を想い、胸を痛めるすみれに、
「あんたはあんたで、淡々としとき」
そう言って明美が励ましました。
また、最終週では栄輔の病状を心配する明美に、今度はすみれが「明美さん 淡々とよ」と励まします。「べっぴんさん」を見るまで、この言葉は冷めている時に使う印象だったのですが、ドラマの中では、心がしめつけられるくらい悲しい時、自分の力ではどうしようもできない時、そんなつらい時に「いつも通り平常心で過ごそう」と自分に言い聞かせるような言葉になっています。自分がとてもつらい時でも、いつも通りの笑顔で過ごせる人、自分の仕事に通常通り集中できる人は強い人だと私は思います。「淡々と」というのは現実逃避ではなく、悲しさに負けないように毅然として過ごす事…そうして過ごすうちに前よりも強くなれる気がします。私も悲しい事があった時、いい意味で「淡々と」過ごせる人になりたいと思います。
最終週で嬉しかったのは、エイミーの娘から手紙と写真が届くシーンです。すみれがエイミーに頼まれて作ったベビードレスは、すみれの願い通り、何年も大切にされる「べっぴん」としてエイミーの娘と孫に受け継がれていました。戦争で焼け焦げた母の形見のウェディングドレスを生地にして、想いを込めて作ったベビードレス。すみれたちの想いが長い年月を経て成就したことは本当に嬉しく思いました。
母がしてくれたように、孫に四つ葉のクローバーの意味を教えるすみれ、愛する人々の言葉でふりかえる思い出の数々…「ああ もう今日で最終回なんだな」とドラマを見ておりましたら…
潔とゆりのカッコよすぎる登場に涙が一瞬止まりました(笑)。すみれと紀夫の天然夫婦もかわいいけど、潔とゆりの夫婦愛もとてもすばらしくて、大好きな二人です。
最終回を迎えた「べっぴんさん」ですが、スピンオフドラマが下記の日時に放送予定です!
・4月29日(土)スペシャルドラマ「恋する百貨店」BSプレミアム午後7:00~7:59
・5月4日(木・祝)スピンオフラジオドラマ「たまご焼き同盟」午後10:10~10:50
・5月6日(土)特別編「忘れられないヨーソローの一日~」BSプレミアム 午後7:00~7:59
またすみれたちに会えるのが楽しみです。(悦子様と小山さんに会えるのも嬉しい!)
愛と妄想少々でお送りしてきました「べっぴんさん」イラストと感想も今回がラストとなります。これまで読んでくださったみなさま、ありがとうございます! みなさまに心から感謝を込めて。花を咲かせる人生を……!!