【懐かしい…】皆で雑巾がけした廊下、古びた体育館―あの頃の記憶が蘇る「木造校舎」の旅
公開日:2017/5/5
不登校だった若者が、全国各地に現存する懐かしの木造校舎を記録した『日本木造校舎大全』が2017年4月5日(水)に発売された。
著者自らが足を運び、取材・撮影した木造校舎の数は15年で日本全国46都道府県(沖縄は木造校舎が皆無のため除く)1200校余に及ぶ。同書ではその中から厳選した木造校舎約170校を掲載。著者が木造校舎の虜になるキッカケとなった群馬県の「花輪小学校」(現在、登録有形文化財)をはじめ、明治初期から大正・昭和の時代に建てられた貴重な木造校舎の数々をその特徴や魅力、歴史とともに紹介している。
校舎の外観だけでなく、校舎内の空間をカテゴリー別にまとめて掲載。横一列に並んで何度も雑巾がけした黒光りしている廊下、ギシギシと鳴く階段と木目のすり減った手すり。怖い噂が絶えないトイレや特別教室、そして校庭の住人「二宮金次郎」像。子どもたちの声が聞こえてきそうな郷愁感が漂う。
木造校舎が次々と姿を消している今、著者は木造校舎との別れの瞬間にも立ち会ってきた。廃校、解体、消失といった切ない別れがある一方で、学校としての役割を終え、新しい形に生まれ変わる校舎もある。出会いと別れ、そして新しい旅立ち…。同書には「木造校舎のその後」も収録されている。
まるでタイムスリップしたような懐かしさと、木造校舎が持つ独特の温かさが感じられる写真たちがあなたを“あの時代”へといざなう。記憶と心の原風景に癒されよう。
角皆尚宏(つのがい・たかひろ)
自身の不登校をきっかけに、小学6年生以来15年間にわたり日本各地の木造校舎を訪ね写真に収めてきた。その数は、北海道から九州まで全国46都道府県、2017年3月の時点で1,212校に及ぶ。人生を変えた「木造校舎」と出会う旅は現在も続いている。
※掲載内容は変更になる場合があります。