おうちで料理をしながら子どもの「段取り力」と「説明力」を伸ばす方法とは?
公開日:2017/4/14
ゆとり教育からの脱却で、学業の重要性がいっそう増してきた。家庭学習に熱心に取り組む家庭が増え、家庭学習本が書店に数多く並ぶ。
教育学者であり『声に出して読みたい日本語』の著者で知られる齋藤 孝氏の『賢い子に育てる最高の勉強法』(KADOKAWA)は、冒頭で「再び確実な人材を求めて、企業の採用は学歴重視になっている」と述べ、高学歴者の中でも特に高度な「記憶再生力」と「問題解決力」を共に備えている人物が必要とされている、と明かしている。
「記憶再生力」とは、知識をきちんと習得し、リクエストされたことにしっかりと答える力。相手が何を求めているのかを正確に把握することが必要になる。
「問題解決力」は、課題を発見して、それを乗り越えるアイデアを生み出す力。本書はさらに、仲間と協力してチームを引っ張っていけるようなリーダーシップがあれば理想的だとしている。
このふたつの力に加え、著者が社会に出る前に備えておきたい力として「人生全体をデザインする力」を挙げている。「人生全体をデザインする力」は、その名のとおり、人生全体を見通して、人生プランを考えていけるスケールの大きな力。本書によると、この力を持つ人は考え方がシンプルで、あまり無駄なことを考えないタイプが多い。
「人生全体をデザインする力」を持つ人のシンプルな考え方(例)
・親が医者だから自分もそれを継いで医者になる
↓
・医者になるには猛勉強をしなければいけない
↓
・そしてお金のかからない国立に行きたい
↓
・そのためには数学と英語を勉強しなければならない
「人生全体をデザインする力」を持つ人は、すべてこのように迷いなく段取りができ、さらに必要最小限にして充分な説明ができる賢さがある、という。
そこで本書は、家庭において「段取り力」と「説明力」を伸ばす方法を紹介している。本書によると、スタートとゴールが決まっていて、その間を埋めればいいという点において、例えば「算数の問題」も「料理」も同じ。「段取り力」と共に「説明力」も伸ばすユニークな方法は、次のとおりだ。
家庭で子どもの「段取り力」と「説明力」を伸ばす方法
・肉じゃがやオムライスなど、料理を作る10段階、20段階の段取りを映像で見せる
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・子どもにメモを取らせる
↓
・映像を観終わってから、どういう段取りだったのかを口で説明させる
※できるだけメモを見ないで言う
この取り組みを何回か繰り返すと、たいていの子どもは記憶してスラスラと言えるようになるという。
本書いわく、子どもの進学先を問わず、わが子が社会に出たときに本当にきちんと安定した生活を送っていけるようになるためにも、「段取り力」と「説明力」を備えていることが重要になる。本書で掲載されている「段取り力」と「説明力」を伸ばす方法はアウトプットが必要だ。親は子どもの受け手なることで、子どもの将来を明るくできる。
文=ルートつつみ