知っておくと超便利! ポリ袋で作るおかず“サラダ漬け”!【作ってみた】
公開日:2017/4/21
1人暮らしだと、料理をしようと思い立って野菜を買っても余らせてしまう。だから買わなくなった、という話をよく聞く。しかし買ってきた食材を使い切るつもりでまとめて作ってしまえば、あとは冷凍なり冷蔵なりで保存がきく。そうすればそれ以降は、野菜を洗ったり切ったりする一番面倒な工程を省くことができるのだ。
だが、いくら作りおきが流行っているとはいえ、同じものを食べ続けるのは飽きてしまう。そこでオススメしたいのが、『ポリ袋でラクラク作りおき サラダ漬けで、すぐ野菜おかず』(岩二啓子/河出書房新社)。本書のサラダ漬けは、そのまま食べて美味しいのはもちろん、アレンジを加えて別な料理に作り替えるところまでセットに考えられたレシピ本。
これをマスターすれば、料理の手間を省きつつかなりレパートリーを増やせるのではなかろうか? 一体どんな味に仕上がるのか? そこで早速、特に使い勝手が良さそうだと感じたレシピ3点を、実際に試してみた。
■「にんじんのラペ漬け」(P.34~P.35)
まずは「にんじんのラペ漬け」。千切りにしたにんじんを塩もみし、水気を絞ってマスタード、レモン汁、酢、こしょう、砂糖、オリーブオイルに1時間ほど漬ければ完成。
マスタードの鼻に抜けるような風味がありつつも、砂糖の甘さやレモン汁の酸味が調和し、辛くはなく程よい味に仕上がっていた。チヂミなどの粉ものと合わせたり、肉や魚の付け合わせにしたりしても使えそう。
「にんじんのラペ漬け」のアレンジレシピの中から、「鶏肉とにんじん漬けのピラフ」(P.39)。塩コショウで下味をつけた鶏肉、玉ねぎ、にんじん漬けをバターで炒め、米、水、塩コショウとともに炊飯器に入れて炊く。
鶏肉と玉ねぎ、にんじん漬けの旨みをしっかりと吸ったピラフは絶品! バターの香りと味がふわっと口の中に広がるのも嬉しい。鶏肉を海老に変えても合いそうだ。
■「小松菜のおかかじょうゆ漬け」(P.40~P.41)
2つめは、「小松菜のおかかじょうゆ漬け」。3cmに切った小松菜に熱湯をかけ、冷ます。保存袋に小松菜、削り節、醤油、みりんを入れて1時間ほど漬ければ出来上がり。
シンプルな味付けだが、削り節の出汁がしっかりと染みていてご飯が進む。細かく刻んでしらす等と一緒に混ぜご飯にしても美味しそうだ。
「小松菜のおかかじょうゆ漬け」のアレンジレシピから、「のり巻きつくね焼き」を作ってみた。ボウルに鶏ひき肉、塩コショウ、白すりごま、刻んだ小松菜漬けを入れて粘りが出るまでしっかりと混ぜ、小判型にしてのりを巻いてフライパンで焼く。練り辛子を添えて完成。
小松菜に下味がしっかりとついているので、味付けはこれで十分。和風なつくねに練り辛子の辛さがぴったりで、おつまみとしても重宝しそう。
■「ごぼうのごまじょうゆ漬け」(P.70~P.71)
最後は「ごぼうのごまじょうゆ漬け」。軽く茹でたごぼうを冷まし、白すりごま、醤油、みりん、砂糖、酢とともに保存袋に入れて1時間ほど置く。
ごぼうのシャキシャキコリコリした食感で箸が進む、あると便利な名脇役。ごま酢和えにすることで奥深い味わいになっている。つくねに混ぜたり、牛肉と一緒に炒めたりするのもあり!
「ごぼうのごまじょうゆ漬け」のアレンジレシピは、「ぶりとごぼう漬けのホイル包み焼き」(P.73)。塩をふり醤油とみりんを絡めたぶり、ごぼう漬け、レモンをアルミホイルに載せて包み、オーブンかトースターで加熱するだけ。
ぶりの旨みとごぼう漬けの旨みが合わさって、どちらもより深く染み入る味に。添えたレモンの爽やかさが、飽きのこないラインを保っている。ぶり以外にも、鮭やカジキマグロとの相性も良さそうだ。
どのサラダ漬けも、簡単なのに作っておくと料理の幅がぐっと広がるものばかり。他の食材とも馴染みやすいので、いろいろな合わせ方にチャレンジしたくなる。
この『ポリ袋でラクラク作りおき サラダ漬けで、すぐ野菜おかず』には、他にも「白菜の塩麹漬け」や「きのこミックスのオイル漬け」など野菜の旨みを生かした様々なレシピが掲載されている。野菜を余らせてしまう、毎日野菜を洗ったり切ったりするのは面倒くさい、という人は、ぜひとも本書でサラダ漬け生活をスタートしてみてほしい。どんなに料理が好きでも得意でも、疲れて面倒な日だってある。時短技、手抜き技は、そんな時必ず役に立ってくれる。
文=月乃雫