行く前に知っておきたい! ディズニーランド&シーに隠された「究極のこだわり」と「魔法」とは?

ディズニー

公開日:2017/4/28

『思わず話したくなる究極のディズニー』(ベストセラーズ)

 「夢と魔法の王国」と「冒険とイマジネーションの海へ」をテーマにした、東京ディズニーリゾート。さまざまなショーが楽しめ、スリルのあるアトラクションが満載の2つのパークは、何度行っても飽きることはないだろう。

 だが「こうした『表』に出ているパークの魅力だけでなく、ゲストを楽しませてくれる物語や細やかなこだわりは無数に広がっています」というのは『思わず話したくなる究極のディズニー』(ベストセラーズ)の著者・みっこさん。

 実は、見逃してしまいそうなパークの情報や、誰も知らないような雑学が大好物だという。年間パスポートでコツコツとパークに通い詰め、約4500のブログ記事をアップし続けている。その中から、特にディズニーらしい深いこだわりを集めたものが本書だ。

advertisement

 例えば「夢と魔法の王国」である、東京ディズニーランド。入り口そばにあるワールドバザールの店舗は、1階部分の大きさは私たちが利用する建物と同じだが、2階・3階と上に行くにつれて1階に比べ縮尺が徐々に小さくなっているという。これは実際よりも高い建物に見せる、遠近法を利用したディズニーマジックだ。

 またアドベンチャーランドにある「ジャングルクルーズ:ワイルドライフ・エクスペディション」。2014年にリニューアルされてからは昼と夜の演出も変わったが、実は物語そのものが以前の「危険なジャングルの探検」から、「動植物の調査・保護」へと変わった。

 特に、ボートが出発してすぐに遭遇するワニと鳥がいるシーン。本書によると、以前は「ワニが鳥を狙っている」と船長がアナウンスしていたが、今は「鳥がワニに飛び方を教えている」という表現に変更。弱肉強食のイメージや残虐性は、跡形もなく消えた。また最後に登場する物売りのサムに至っては、1983年にパークがオープンしてから、なんと3回も転職している事実もあわせて紹介されている。時代とともに変わるディズニーのこだわりをじっくり観察する著者の視点に、改めて気づかされる。

「冒険とイマジネーションの海へ」をテーマにした東京ディズニーシーでは、同じエリアの中にゴミ箱のデザインが複数あることに着目。

 例えば、アメリカンウォーターフロントにある「タワー・オブ・テラー」前のゴミ箱は、アトラクションのホテルツアーを主宰する「ニューヨーク市保存協会」のロゴマークがあるもの。そして「トイ・ストーリー・マニア!」前には別ロゴのもの、さらにはウォーターフロントパーク内にも2種類のゴミ箱がある。細かすぎるパークの物語に気づくのも、著者らしさだろう。

 もちろん隠れミッキーファンのために、本書には東京ディズニーランドに2016年11月にオープンした「キャンプ・ウッドチャック」エリアも紹介。場所を示す説明文だけが公開され、隠れミッキーの写真は一切掲載されていない。本書を片手に、ミッキーを探すのも楽しそうだ。

「ふとした光景に隠れたこだわりを知っていると、パークの楽しさが2倍、3倍……時には10倍になるかもしれません」。常に変化するパークを追いかけること十数年。自らの足で集めた情報が満載の本書は、もはやネタバレの域を超えている。次は自分たちの目で、ディズニーの魔法を見つけたくなる一冊だ。

文=富田チヤコ