“開脚ブーム”に隠された意外な事実! じつは「90度も開けば十分」だった!?
更新日:2017/5/8
「開脚」にフィーチャーしたストレッチ本がベストセラーとなり、テレビや雑誌でもたびたび特集されるなど、“開脚ブーム”が続いている。
そんななか刊行された『体がかたい人でもラクに開脚できるようになる本』(藤本陽平監修/KADOKAWA)は、股関節まわりの基本ストレッチなどをシンプルに解説し、「開脚へのチャレンジ」を後押ししてくれる一冊だ。
開脚というと「両脚を180度開き、上体をベターッと床につける」イメージを真っ先に思い浮かべるが、今回は本書の中から、この「180度開脚」にまつわる“意外な事実”を紹介したい。
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そもそも「開脚」とはどんな動作か?
数あるストレッチの中でも、とくに最近は「開脚」に関心が集まっている。でもなぜ、これほど多くの人々が開脚というものに興味を抱き、チャレンジしようとするのか? これをちょっと突き詰めて考えると、健康や美容のためというよりも、「開脚へのあこがれ」がいちばんの原動力になっているようにも考えられる。
たとえばバレエや体操などで、人がきれいに開脚しているのを見ると、単純に「すごい!」と誰しも思うはずだが、見た目にもシンプルであるためか、「自分にもできるかな?」という欲求が本能的にくすぐられる動作なのかもしれない。
では、「開脚」とは具体的にどのような動作なのか?
開脚をするうえでカギとなるのは、「股関節」の動き。股関節には6通りの動きがあるのだが、開脚にとっていちばん重要な動きは「屈曲(くっきょく)」と「外転(がいてん)」だ。
屈曲とは「太ももを前に持ち上げて曲げる動き」であり、外転とは「太ももを外側に開く動き」。つまり開脚のキモは、「太ももを前に曲げて、広げる動き」なのだ。
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ところで、この股関節の動きには「参考可動域」と呼ばれる指標がある。要するに「どこまで動くことができるか」という目安のことだ。研究者によって見解は異なるが、一般的には次のようになっている。
・屈曲……125度(ひざを伸ばした状態では70~90度)
・外転……45度
床に座った状態で、両脚の太ももを45度ずつ外側に開くと、合計で90度になる。だから、90度開かなかったら「体が硬い」ということ。逆にいえば、開脚は「90度」もできれば日常生活に支障がないレベルであり、それ以上開くのは、そもそも“ものすごいこと”と思ってもよいのだ。
180度開脚は本当にできるのか?
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「90度開けば十分」とはいえ、やはり開脚にチャレンジするからにはきれいな180度開脚を達成したくなるのが人情というもの。そう考えると、そもそもバレリーナや体操選手たちは、優雅なる180度開脚を、いったいなぜ、いとも簡単にやってしまうのだろうか?
その一つの理由は、体がまだ柔らかい子どものころからコツコツと開脚ができる体にフィットさせてきたからなのだ。
もちろん、大人になってから始めて「180度開脚」をクリアしてしまう人もたくさんいる。
「私は生まれつき体が硬いから…」などと言う人もいるが、赤ちゃんのころにまでさかのぼれば、体は柔らかかったに決まっている。誰しも、生まれたときには体が柔軟だったはずなのに、年齢とともにだんだん硬くなっていっただけなのだ。
じっくり“自分のペース”で開脚ストレッチに取り組んでいけば、開脚にとっての“必要十分”である「90度開脚」は確実に見えてくる。そして、夢の「180度開脚」に近づけるかもしれない。
「開脚」ストレッチは、やればやるだけ成果が出るものなのだ。
文=色川賢也