でんしゃ76種の緻密なイラストが大反響! 大人も子どもも夢中にさせる『でんしゃのずかん』
更新日:2017/11/12
子どもにつられて両親まで鉄道趣味に目覚めてしまう、というのはよく聞く話。かく言う私も鉄道好きの息子がいるので、これまで意識しなかった鉄道の魅力が少しずつ分かるようになってきた。
4月27日に白泉社より刊行される『でんしゃのずかん』(五十嵐美和子:作、近藤圭一郎:監修)は、そんな鉄道ビギナーにぴったりの図鑑だ。鉄道の図鑑といえば写真を使ったものがほとんどだが、全編イラストで構成されているのが本書の大きな特色。といっても子ども向けにデフォルメされているわけではなく、あくまでくっきりしたタッチで正確に緻密に、車輌を正面と真横から描いている。
取り上げられているのは、はやぶさ、こまち、ドクターイエローなどの新幹線、スカイライナー、ロマンスカー、成田エクスプレスなどの特急、山手線や中央線、東海道本線などの通勤電車。さらには貨物列車、蒸気機関車、地下鉄、モノレールや路面電車まで、各種鉄道を広くカバーしている。
さっそく我が家の2歳児に読ませてみたところ、近所を走っている貨物列車のイラストを見つけて大はしゃぎ。「ブルーサンダー!」「ももたろう!」と名前を覚えて、嬉しそうに連呼。東京近郊に限らず、大阪のモノレールや札幌の路面電車など日本全国の鉄道が紹介されているので、それぞれの読者がなじみのある電車を見つけられるはずだ。
写真の絵本は雑誌「kodomoe」付録時のものです
説明文はシンプルながら分かりやすく、鉄道ファン初心者にはためになる記述がいっぱい。たとえば運転席の上部に設置されている「しんごうえんかん」(信号炎管)については、「うんてんしつにあるレバーをつかうと、あかくもえてけむりをだし、じこなどがおきていることを、しらせます。」との説明があった。これまであの筒は何だろう、と疑問に思っていたが、そんな重要な役割があったとは! 他にも読めばついつい語りたくなる鉄道豆知識が満載である。車両の内側を描いた透視図が掲載されているのもイラスト図鑑ならでは。また災害発生時の対応について触れたページは、親子で確認しておいて損はないだろう。
わが子を筋金入りのテツにしたいと考えている方や、子どものマニアックな質問にちゃんと答えたいと思っているパパ&ママにはもってこいの一冊。もちろん鉄道好きの子どもへのプレゼントにも最適。春の行楽シーズン、この絵本を持って鉄道見学に出かけてみてはいかがだろうか。
文=朝宮運河