『孤独のグルメ』マッサージ編? コリも睡眠もダイエットもすべてお金で解決だ! ジェーン・スーの疲れた体と凹んだ心を癒す「地上の楽園」
公開日:2017/4/30
来る日も来る日も働いて、肩はコリコリ、腰はガッチガチ。美味しいものを食べたり飲んだりする時間も気力もない。心も体も疲れきっている時、誰かに圧倒的な優しさと気遣いでケアされるって、心底うれしいもの。
『今夜もカネで解決だ』(ジェーン・スー/朝日新聞出版)は、働くシングル女性の間で絶大な人気を誇るラジオパーソナリティー、コラムニストであるジェーン・スー氏の、AERA連載の人気コラムをまとめたもの。
疲れた女の「地上の楽園」、都会のマッサージ・リラクゼーション店巡りで、著者が得たものとは?
■プチプラ店からセレブ御用達の高級店まで
東京というのは、女性の欲求を、なんとピンポイントで満たしてくれる街なのだろうか。「体の疲れを横軸に、心の凹みを縦軸にしたマトリックスに、自分のコンディションを当てはめて」検索サイトを開いてみれば、中国の足つぼ、韓国の生姜桶、インドのアーユルヴェーダ、ハワイのロミロミ、英国式フットケア、スウェーデン式マッサージなど、マッサージ・リラクゼーションとひとくちに言っても、その種類は実に豊富だ。
「見知らぬ誰かに体を大事にしてもらうと心の凝りもほぐれていくよ」
そこで出会うのは国籍も経歴もさまざまな施術者たち。超絶技巧の姑娘(ク―ニャン・中国の若い娘)、コリアン系美魔女、金融機関の激務からハワイロミロミマッサージに惚れ込んで転職したという日本人女性、「神の手」を持つ30代女性など。交わす言葉は少なくても、自分の体を気にかけ、改善のために力を尽くしてくれる施術者の気持ちが「手」から伝わってくることで、心身の疲れが癒されるという。
■女子のお悩みにオススメの施術
温活のために訪れたヨモギ蒸し。ビニールのガウンを被ったテルテル坊主スタイルで、座部に穴のあいた椅子に座り、下で煎じられたヨモギの蒸気や熱気で、大事な部分を温めるという韓国由来の民間療法だ。汗がたっぷり出る30分の施術で、なんと6時間たっても下半身は温かかったそう。生理不順にもよいらしい。著者が働く女性に強くオススメする、ドイツ式フットケアサロンでは、奴隷の足(!)から貴族の足にしてもらえるそうだ。
ネイリストさんの「金で解決できない女の悩みなんてない」という言葉に、「すべてではないけれど」と共感する著者。大失恋した時だって、ネイルサロンでカラフルなペディキュアを施してもらえば気分も上向くのが女性というもの。本書を読んでいると、今すぐに誰かの手で、心と体のコリをほぐしてもらいたくなってくる。施術時間と料金も記載されているので、自分に合う店を見つけやすいのも魅力だ。ジェーン・スー氏原作のコミック『未中年 四十路から先、思い描いたことがなかったもので。』(新潮社)も発売中。こちらもジェーン・スーワールド全開。併せて読んでほしい。
文=泉ゆりこ