成功体験を棄てろ!「スーパードライ」から30年、アサヒビールが怒濤の連続ヒットを生み出すまで

ビジネス

公開日:2017/5/23

 「成功体験を棄てろ」―1つの成功にしがみつかず、数々のヒット商品を生み出し続ける“変革のドラマ”を追った『アサヒビール 30年目の逆襲』が、2017年4月26日(水)に発売された。

 缶チューハイ、第3のビール、糖質オフ…。怒濤の連続ヒットはいかにして実現したのか? 同書はアサヒビールが全社一丸で取り組んだ大変革を、業界に精通したジャーナリストが活写している。

 ビール類市場でシェアNo.1を誇るアサヒビール。言わずと知れた主力商品「スーパードライ」は、1987年の発売以来ドライビールの先駆けとして30年間不動のトップに君臨してきた。しかしそれは同時に、アサヒが長らく1つのヒット商品に依存し続けてしまったことも意味している。

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 スーパードライはいつしかアサヒにとっての「聖域」となり、経営資源の多くはスーパードライに集中してきた。競争が激しいビール類市場の首位でありながら、アサヒは30年近くも目立ったヒット商品がないという事態に陥っていたのである。

 ところが、缶チューハイから第3のビール、糖質オフまで、ヒット商品や技術面でのイノベーションが2016年ごろからいくつも重なっている。アサヒはいかにして成功体験を超え、自ら変革へと動き出したのか。

 同書はマーケティングから研究開発、営業の現場までさまざまな人へのインタビューをもとに、その変革の模様を描き出す。アサヒと同じように、過去の成功体験にとらわれ聖域が存在する企業は多い。それらとどのように向き合い、どう乗り越えていけばよいのか。アサヒという一企業を通してそのヒントを提示する。

 社長を務める平野伸一の単独インタビューも収録しており、まさに“実録ドラマ”がぎっしりと詰まった1冊。成功者たちが巻き起こした変革の波は、あなたのビジネスライフにおいても大きな影響をもたらしてくれるはずだ。

永井隆(ながい・たかし)
ジャーナリスト。1958年群馬県生まれ。明治大学経営学部卒業。東京タイムズ記者を経て、92年フリーとして独立。現在、雑誌や新聞、ウェブで取材執筆活動をおこなう傍ら、テレビ、ラジオのコメンテーターも務める。著書に『サントリー対キリン』『ビール15年戦争』『ビール最終戦争』『人事と出世の方程式』『国産エコ技術の突破力!』『敗れざるサラリーマンたち』『一身上の都合』『現場力』などがある。

※掲載内容は変更になる場合があります。