入手困難な話題の新素材糸を体験!『ズパゲッティでざくざく編むおしゃれバッグと小物』ワークショップ

暮らし

公開日:2017/5/28

 “ズパゲッティ”という名のオランダ生まれのちょっと風変わりな糸をご存知だろうか? Tシャツなどを生産する際にファッションメーカーから大量に廃棄されるコットン生地を何か再利用できないかと考え、開発されたというこの糸。廃材だけに微妙に太さや色合い、風味が違っていて、地球に優しく、自分だけの“1点もの”が手軽につくれるのが最大の特徴。10号針を使う超極太糸なので、文字通りざくざく簡単に編めてしまうのも魅力です。昨年末から手芸愛好家から人気に火がつき、今では手芸専門店でも入手困難なほどブレイクしている糸なのです。


 5月10日に、手芸作家のナガイマサミ先生を迎えたワークショップがACADEMIAくまざわ書店アリオ橋本店で開催されました。参加費3000円で書籍『ズパゲッティでざくざく編むおしゃれバッグと小物』(主婦と生活社/税込1620円)、糸1玉(税込1944円)、ワークショップ会場となった書店内のタリーズコーヒーのドリンク1杯がセットというお得さで、1回10名、2回で20名の店員はほぼ満員。

 ズパゲッティ経験済みという上級者から、かぎ編み自体初めてという初心者、このワークショップを機にまたかぎ編みを始めたいという再入門者まで参加者のレベルは様々。始まる前には、参加者に配布された糸の色合いが微妙に異なるため、気に入った色味の糸をじゃんけんで決める一幕も。

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「染料で染めた糸とは違って、同じ“赤”でもロットによって色合いが結構違うんですよ、太さも違うし……。だから気になる糸を見かけたら一期一会だと思ってすぐに入手したほうがいいんです。そんなところも人気の秘訣なんでしょうね」(ナガイさん)
「手芸店でもあまり売ってないんですよね。再利用品だからなかなか増産とかできないのかな? さっき見たら書店で糸が売っていたので、ワークショップ終わったら別の色の糸も買って帰ろうと思います」(参加者)

 確かに、書店で手芸糸が売っているって、なかなか珍しいですよね!?

「ズパゲッティをもっと盛り上げたいと思って、全国のくまざわ書店10店で糸を仕入れたんです。ほとんど売れてしまったのですが、今日はこのワークショップがあるからということで、他の店舗の在庫もこのお店にかき集めたんですよ」(岸店長)

 アットホームな雰囲気の中で、書籍にも掲載されている「模様柄のクラッチバッグ」を作成するワークショップは始まりました。

■おしゃれな“模様編み”にチャレンジ!

 あまりの人気ぶりに正規品は入手困難になっているズパゲッティ。最近は100均などでも似たような糸が売っているけれど、違いは明らかだそうで。
「100均も悪くはないと思いますが、正規品よりもほつれたり、糸くずが出やすいという意見が多いみたいですね。ズパゲッティは割いた糸を再利用してますが、何らかの加工が施されているみたいで、ほつれにくいです」(ナガイさん)


 そうこうしているうちに、各参加者たちはこま編みの部分ができ上がってきて、”模様編み”のパートに差し掛かってきた。この部分になると、これまで快調だった参加者達も悪戦苦闘。ナガイさんに直接教えてもらいながら、少しずつ仕上げていく。中には、いち早くコツを習得した参加者が別の参加者に教えてあげる、なんて場面も。編み物って自分ひとりだけの内省的な作業と思っていましたが、最高のコミュニケーションツールでもあるんですね。

 予定の2時間弱で、大半の参加者がクラッチバッグの完成か、少なくとも模様編みのコツを習得するところまではたどり着いた今回のワークショップ。短時間でこれだけの大きさのものが作れるのも、ざくざく編めるズパゲッティの魅力の一つだと再認識しました。これを読んで気になってきたという方も、あなただけの一期一会のズパゲッティ糸をぜひ探して、自分だけの作品を作ってみてはいかがでしょうか。