「これ、海外ドラマですか……?」サスペンス、ミステリー、官能……全てが世界級のBLマンガ、最新3巻が遂に発売!
公開日:2017/5/31
海外ドラマばりの重厚ストーリーと美し過ぎる作画で、日本の全腐女子を震撼させた話題作『In These Words』(Guilt|Pleasure/リブレ)の最新3巻が4月末に発売された。
2巻発売からおよそ3年。「待ってたよ!!」と歓喜した腐女子も多いはず。
そこで、3巻発売を記念して「『In These Words』? 知らないなぁ」という人のために、今からでも遅くない本作の「ハマる」見どころを紹介しようと思う。
まずはあらすじ。
若い男性ばかりを標的とした猟奇的連続殺人犯に「自白をさせる」ため、警察に協力することになった精神科医の浅野克哉(あさの・かつや)。犯人の篠原(しのはら)と対話をしながら、彼の本心を探ろうとするが、篠原と対峙すればするほど、浅野はおかしな夢を見るようになる。
それは顔のない男に監禁され、凌辱される悪夢。篠原に殺された被害者に同調してしまっているのか、それともこれは自分の記憶なのか。夢と現実の接点となるのが、殺人犯である篠原。彼は「何か」を知っているようだが……。
夢が現実との境界を越える時、物語は予想外の展開へ。
本作の魅力の一つは「絵がめちゃくちゃキレイ」ということ。動きに躍動感もあり、人物の造形も「マンガちっく過ぎず、リアル過ぎず」万人受けする絵柄ではないだろうか。そして何より、「筋肉」の描き方が素晴らしく見ごたえがある。
BL好きで「男性の一切の筋肉に興味がない」という人はいないはず。本作では筋肉を筆頭に、男性の肉体美を存分に堪能できるのでとても眼福なのだ(ムキムキマッチョのカップルというわけではないので、マッチョが地雷の方もご安心を)。
もう一つは、何と言ってもストーリー。ネタバレになってしまうので詳しくは書けないが、あらすじで紹介したのは1巻の内容でしかなく、実は2巻では大きな「どんでん返し」があり、3巻ではその真相が描かれている。
驚きの連続の展開は、まるで海外ドラマのようなハラハラとドキドキが詰まっている。そして3巻を読んでから1巻に戻ると、色々な伏線が繋がっていくので、最新3巻を読んで1巻に戻り、1巻を読んだら2巻も読みたくなって3巻に戻り、また1巻が気になり……という無限ループを楽しめる(いや、本当に)。
ただ一つ注意が。連続殺人犯が出てくるくらいなので、血や死体などのグロテスクな描写があったり、痛々しい表現もあったりするので、「凌辱」「グロ」が苦手な方は止めておいた方がいいかもしれない。
とは言え、内容のないエログロは見てられないけども、本作はそうではないので、読んでいて不快になることはないし、上級者向けのBLというわけでもないと思う。
2巻からはちゃんとBLのL(LOVE)の部分も始まるので、殺伐とした1巻の内容とのギャップも楽しめるだろう。
本作の魅力にとり憑かれたら最後、4巻の発売が待ち遠しくてしょうがなくなるはずだ。読めるのが何年後になるかは分からないけれど……!
文=雨野裾