その「糖質オフ」まだ続ける? 日本人にピッタリの“トリプトファンダイエット”って?

健康・美容

公開日:2017/6/16

『トリプトファンダイエット 食べ方を変えるだけでやせられる』(宮川ジュンコ/講談社)

「ボディ・ポジティブ」を合言葉に、ありのままの自分の身体を受け入れることがトレンドになっている昨今。ハリウッドセレブやスーパーモデルも、こぞって写真加工ナシのセルフィーを投稿し、「ありのままの身体を愛そう!」というメッセージを発信しています。

 とは言え、夏になったら痩せたくなるのが女ゴコロ。毎年この季節になるとたくさんのダイエット・メソッドが世に送り出され、乙女たちの耳目を集めるのがその証拠。憧れのミューズ(女神)を思い浮かべては、「今年こそは……!」と強靭な意思でもってダイエットを完遂することを誓う方も多いのではないでしょうか。

 しかしご存じのとおり、この「強靭な意思」を最後まで貫き、夢のような美ボディを手に入れられるのはほんの一握り。多くの同朋は、ダイエットの重責にストレスを感じ、夏の誘惑(キンキンに冷えたビール、バーベキュー、夏祭りの焼きそば……!)を目の前にギブアップしてしまうのです。

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「初志貫徹系」女子にはなれない、でも今年こそ本気で痩せたい! そんな欲張りな要求を限りなく叶えてくれるのが、『トリプトファンダイエット 食べ方を変えるだけでやせられる』(宮川ジュンコ/講談社)が提唱する「トリプトファンダイエット」。端的に言うと、お肉も食べていい! 糖質も摂っていい! という夢のようなダイエット方法。つまり、バーベキューも、夏祭りの誘惑も、気の向くままに乗ってしまっていいのです!!

■日本人はそもそも、ダイエットに不向きな民族!?

 ダイエットというと、まず真っ先に思い浮かぶのが食事制限。食べることさえ我慢すれば痩せられる。そのためには若干のストレスは仕方がない。そう考える方も多いのではないでしょうか。しかし、この考え方は実は全くの間違い。そもそもダイエットの3大失敗要因は「空腹感ストレス」「栄養不足ストレス」「睡眠不足ストレス」の3つのストレスだというのです。

 しかも、最近の研究では、日本人は「不安遺伝子」を世界一持っている国民で、ストレスを最も感じやすいということが明らかになっています。つまり、ダイエットにはストレスが付き物と思い込んで、精神論で自分を追い込んでいる限りは、痩せのサイクルは築きにくいのです……!

■お肉をもりもり食べて! 糖質も摂ってOK!トリプトファンダイエットの仕組みとは

 そこで、本書が提唱するのが、幸せホルモンを促進して、不安な気持ちやストレスを撃退! 無理なく楽しくダイエットを続けようという「トリプトファンダイエット」。

 気持ちを前向きにしてくれるハッピーホルモンとして知られる「セロトニン」という物質で、材料となるのが必須アミノ酸の「トリプトファン」。そして、このトリプトファンを最も効率よく摂取できる食材が、「お肉!」というわけなのです。

 さらに恐るべきことに、セロトニンの生成にはトリプトファンだけでなく若干の「糖質」も必要とのこと。ということは、昨今ダイエット界を席巻している「糖質制限ダイエット」では、幸せホルモン・セロトニンが働かず、ダイエットの大敵・ストレスが身体の中で幅を利かせてしまうことになるのです!


■トリプトファンダイエットは「楽しく」「キレイに」痩せられる!

 そんな幸せホルモンの素・トリプトファンには、他にも疲労回復、アンチエイジング、集中力アップといった嬉しい効果が。しかも、トリプトファンを効率よく摂取できる食材=お肉には、脂肪の撃退に一役買ってくれるビタミンB6が含まれるというのだから、もう、ダイエットメニューでお肉を外す理由が見当たりません。

 他にも本書では、食べる順番を野菜からにすることで太りにくくする「ベジファースト」の方法や、ゆっくり時間をかけて食事することで血糖値の上昇を緩やかにする「時間差食べ」など、ダイエット、ひいては健康的な食事を実現するための基本的なメソッドを分かりやすく解説しています。

 無理せず楽しく、自分らしさを損なわずにヘルシーボディを手に入れたいと思う方は、一読の価値アリです。

文=八巻奈緒