常識破りのタイムマネジメント「筋トレライフ」―充実した一日のためにトップビジネスマンがしていること
公開日:2017/6/20
「筋トレ」をすると「時間の使い方」が上手くなる。「時間の使い方」が上手くなると「充実ライフ」が送れる。こう述べるのは、毎日筋トレを欠かさない社長、テストステロン氏(以下T氏)。彼が独自の時間管理術を披露したのが、『筋トレライフバランス マッチョ社長が教える完全無欠の時間管理術』(Testosterone(テストステロン)/宝島社)だ。ここから、冒頭の3つ、「筋トレ」「時間の使い方」「充実ライフ」の関係について紹介しよう。
さて、現在は筋肉自慢のT氏であるが、学生時代には100キロを超える体重だった。この状態を打破しようと一念発起、筋トレで40キロの減量に成功した体験から、トレーニングにはまったという。そして今では、日常生活のやりたいこと順位の第一位が筋トレだ。とはいえ、T氏は社長。「トレーニングする時間が一体どこにあるんですか?」と聞かれるほど多忙だ。社長であるからにはやはり仕事が第一で、その隙間に運動をしているのだろうか。いや、それが違うのだ。彼の優先すべき事は「筋トレ」、「すべては筋肉のために」だ。といっても、単なる脳筋ではない。一日の時間を最大限に生かすべく、自分の価値基準でやることを明確に判断する頭脳派だ。
T氏の起床は朝4時。しっかり朝食を摂り、まずは仕事だ。一日の仕事の中で最も重要なものに、猛烈な集中力とスピードで取り組む。朝に仕事をする理由は3つある。ひとつ目は筋肉のため。筋肉を効果的につけるためには、食後90分から120分後にトレーニングをするのが最適で、トレーニングまでの待ち時間を仕事に充てようという時間の有効化だ。2つ目は、揺るぎないタイムリミットを設けるため。絶対に筋トレタイムまでに終えようという緊張感が、集中力を高める。3つ目は、朝が頭の最も冴えている時間であるため。寝ている間に整理された頭の中は、クリエイティブな作業にぴったりなのだとか。
さて、自宅で朝の仕事をこなしたT氏は、近所のジムへ向かう。毎日だ。運動は意志だけでは続かないから習慣化する。これがコツだそうで、始めの1、2週間はきついが、3週間を超えるころから体が慣れてくるという。ちなみに、朝の身支度に時間をかけない方法は、「選択する機会を限りなく減らす」ことだとか。T氏の場合は、食事も服も毎日同じでいいと割り切っている。
さあ、ここでやっと出社だ。只今午前10時。これから会社での仕事が待っている。しかし、T氏の気持ちは「今日はもう終わり!」。まるで一日の仕事が終わったような解放感に満たされている。T氏にとって一番大事な筋トレと、仕事の中で最も重要なものが、既に終わっているからだ。晴れやかに出社したT氏は、ルーティンワークや打ち合わせに臨む。心に余裕があるので、会社でのパフォーマンスも上々だ。
T氏は本書の冒頭でこんなことを言っている。
僕の場合、どうしてもやりたいことが筋トレだったが、これが家族と過ごす時間でもいいし、語学や資格のための学習でも婚活だっていい。この本に書いたメソッドを使って君の人生がより洗練されたものになることを願っている。「忙しいから」「時間がないから」といった理由で好きなことができない状況を打破してもらえると幸いだ。
好きなことはあきらめずにやってしまおう。そして、よりよい人生を、というわけだ。
また、やりたいことがない人でも、「ジムに行く」「起きる時間を決める」「寝る時間を絶対に守る」の3つは、とりあえずやってみるべきだとか。プランを決めて運動、効果が出なければ軌道修正、というステップで目標に向かっていくことが、成功体験につながるからだ。成功体験を仕事で得るのは大変だが、筋トレなどの運動なら、比較的短期間ですぐに効果が実感できる。自分への自信がアップすれば、仕事上での振る舞い方も変わってくるに違いない。ジムに行くのが難しいなら、本や動画で紹介されている運動メニューをやってみるのもOKだ。
T氏のユニークさは、会社や学校・家庭で刷り込まれる、一般的な優先順位や一日の過ごし方を、潔く捨てている点だろう。マンネリ化した日々に効きそうだ。
文=奥みんす