ダイエットはしたくないけど美味しいものは食べたい……という人に朗報! これからは「プラマイ」で体重管理を【挑戦してみた】

マンガ

更新日:2017/7/18

『プラマイごはん 1』(森小太郎:著、とい天津:企画・原案/白泉社)

 世の中が健康食品で溢れかえるのも、「結果にコミットする」ジムが重宝されるのも、すべては人々の健康志向の高まりがあってこそである。そして人が最も気にするのは、やはり「肥満」であろう。原因はさまざまにあるが、よく知られるのは「カロリーの高い食事を摂取しすぎ」というもの。ゆえに食事制限などでダイエットを試みる向きも多かろうが、無理をしすぎると体調を崩したり、一時的に体重を減らしてもすぐ元に戻る「リバウンド」で苦しんだりするケースもよく聞く。

 一番よいのは日頃から節制することだろうが、美味しいものはつい食べてしまうのが人の弱み。しかしながら『プラマイごはん 1』(森小太郎:著、とい天津:企画・原案/白泉社)では、美味しいものを食べるのが大好きな女子高生が、ちょっと変わった考えかたで自らのスタイルを維持している姿が描かれる。

 主人公の五十嵐珠江は「限定食」を食べることが趣味の女子高生。「限定食」とはその場限りの提供だったり、個数制限があったりするようなプレミアム度の高い食品だ。しかしそういうものは、得てして高カロリーなことが多い。ゆえに彼女は幼い頃から「プラマイ」という方法を導入して、太らないようにしていた。「プラマイ」とは、食べる分だけ運動してカロリーを「プラスマイナスゼロにする」ということ。つまり食べる前に運動して、美味しいものを「お迎え」しようというのである。

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 例えば本編では「角煮まん」を食べるために、珠江と友人のカロリーナが必要分の150kcalを消費するべく「踏み台昇降」にチャレンジ。実はこの「踏み台昇降」には計算式がある。「体重×0.09(体重1kgが1分間に踏み台昇降で消費するカロリー)×運動時間(分)×年齢・性別補正=消費カロリー」だ。珠江の場合は150kcalを消費するため、30分の踏み台昇降が必要。ゆえに彼女は左右交互に15分ずつ、その場で運動を始めるのだった。このような流れで、さまざまな「限定食」が登場するたび、「ニー・トゥ・エルボー」や「ダンベル運動」などのエクササイズで必要なカロリーを消費していくのだ。

 ところで、なにゆえ「食べる前」の運動なのか。珠江曰く「入れるときは中を片付けてから。そのほうが気持ちよく食べられる」からだ。さらにカロリーナのいう「運動した分、おいしく感じる」というのも真理であろう。

 さらに本書でちょっと面白かったのが「カロリー貯金」という方法。これは高カロリーの食品を「お迎え」するとき、一気に運動するのではなく何日かに分割して消費カロリーを「貯金」しておくことだ。「ご褒美」があることで、苦しいエクササイズに励むモチベーションが上がるという効果も。イメージとしては分かるが、果たして本当にそうなのか? 論より証拠、実際に試してみることにした。

 本編で登場したご褒美は「ハワイアンなパンケーキ」である。モデルらしき店もなんとなく分かったので、そこのパンケーキを食するため「踏み台昇降」でカロリー貯金に挑戦してみた。前述の計算式により、踏み台昇降30分で私の消費カロリーはおよそ140kcal。パンケーキのカロリーが550kcalくらいということだから、大体4日間である。踏み台昇降に必要な高さは10~30cmで、ウチの場合は玄関の高さがそれに相当。珠江たち同様、左右交互に15分ずつで実行した。──5分後。早くも汗が噴きだしてきた! なにやら呼吸も荒くなってくる。単純運動とナメていたが、かなりの苦行だ。正直、左右あわせて30分が、異常に長く感じた。終わったら確実に汗だくになるので、すぐにシャワーが使える環境で行なうのがオススメ。あと普段、あまり運動していない人だと間違いなく筋肉痛になるので、覚悟して挑もう。

 で、4日間ほど死ぬ思いでエクササイズして、得たご褒美というのがコレ。


 なんというか、メチャメチャ美味に感じた。もちろん普通に食べても美味しいのだろうが、あの辛く苦しい4日間を考えると、喜びもひとしおである。さらに運動不足も解消されて、いいことづくめだ。なかなかダイエットが続かないという人は、この漫画を参考にしてみてほしい。「ご褒美」と「カロリー貯金」で楽しく体形を維持しよう!

文=木谷誠