【ダ・ヴィンチ2017年8月号】「住野よる」特集番外編

特集番外編3

更新日:2017/7/6

【ダ・ヴィンチ2017年8月号】「住野よる」特集番外編

編集T

 住野よるさんという作家は、10代や20代の若い人びとに寄り添い、物語の豊かさを教えてくれる、ひいては「本」と「若者」を繋ぎとめてくださっている方なのではないかと思います。

 今回の「住野よる」特集に向けてTwitterをはじめSNS等でなんとなく読者層などをリサーチする中で印象的だったのが、若い読者の声でした。というのも、彼らはただ、作品の感想を呟くだけではなく、作品を読んで心を打たれ、揺さぶられる中で、人生のヒントを見つけたり、大きな壁に立ち向かう勇気を得ているように思えたからです。エンタメを超えて、読者の人生に寄り添う住野作品。「あの頃、本に助けられたから今の自分がいるんだよな」と、夜中に一人で文庫本にすがり付くように文字を追っていた10代の頃を思い出しました。

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 今回の特集では、そんな若い読者の生の声とそこに寄り添う住野よるさんの心の距離の近さをご紹介するべく、読者相談というコーナーを設けさせていただきました。作家と読者という枠を超えて、質問に真摯に答えてくださっている様子、まるで学生時代に夜更かしして聞いていた深夜ラジオのような雰囲気をお楽しみいただければと思います。

 そんな住野さんがご自身についてお話してくださったロングインタビューも必見です。デビュー作が社会現象級の大ベストセラーになり、その後もヒットを重ね続けるスター作家が、その心の内を語ってくださりました。今回のインタビューで、初めて口にされた“住野よるでいることが苦しい”という気持ちと、“大きな夢”とは?

 そして、扉イラストは『君の膵臓をたべたい』をはじめ3作品の表紙カバーイラストを手掛けてこられたloundrawさんの描き下ろしです。意味ありげに、本を手に並ぶ4人。住野ファンであれば、彼女達が誰か、すぐにお気づきになるはずですよね。ファン心をくすぐる素晴らしい作品に仕上がっております。

 7月には映画『君の膵臓をたべたい』も公開予定です。いま、文芸界のナンバーワンであり、オンリーワンの住野よるさん。この機会に是非、作品と特集をご覧いただければとてもうれしいです。