”やらなかった疲れ”が病のもと? フォロワー35万人・DJあおいのこの世で一番難しい「普通の幸せを手に入れる」方法とは?
更新日:2017/7/31
「定時に帰ってアフター6を充実させたい」「一歩会社を出たら、職場のことは忘れたい」そんな本音を漏らしたら、バリバリのキャリアウーマン(以下、バリキャリ)の先輩や上司からは冷たい視線を向けられそう。でも、決して仕事に対してやる気がないわけではない。ストレスをためずに、それなりの生活をしたいだけなのだ。
そんなストレスフリーな「普通の生活」を求める女子のために書かれた仕事術本が、『キャリアなどに興味はない。それなりに稼げて、ストレスフリーならそれがいいのだ!』(DJあおい/ワニブックス)。「タウンワークマガジン」の連載、「Jあおいの『働く人を応援します!』」に大幅な加筆修正を加え、書籍化された。著者のDJあおいは、ツイッターで独自の恋愛観を綴り、一般人としては異例のフォロワー約35万人を持つ恋愛アドバイザー。
本書は著者初の仕事術本となるが、辛辣ながらも温かく女子の本音に迫る語り口は健在で、バリキャリにはなりたくない女子の背中を押してくれる。とはいえ、かつてバリキャリだった著者は、「この世で一番難しいのは、普通の幸せを手に入れるってこと」といい、仕事に対して手を抜くことは決して許してくれないのだが……。
第1章、「まずはなんのために私たちは働くのかを、はっきりさせておくね」では、勤め人には避けられない“あの悩み”を取り上げる。
やった疲れよりも、やらなかった疲れが仕事に行きたくない病のもと。
会社勤めをしていれば、朝起きて、「仕事に行きたくない」と思った経験が誰もが一度はあるはず。夜更かしによる睡眠不足が原因で発症することが多いというこの「仕事に行きたくない病」について、著者はこう語る
「人は、今日1日が充実して満たされた1日だったならば、適正な時間に眠気が襲ってくるようにできています」
つまり、今日1日が“仕事をやり残して充実しなかった1日”だと、充実感を求めて夜更かしをしてしまい、「仕事に行きたくない病」を発症してしまうという……。バリキャリにはなりたくなくても、会社でパフォーマンスを発揮してそれなりのお給料をもらうためには、「生活習慣を正して、仕事を頑張る」ことが必要なようだ。
第4章、「こんなに仕事がつらいのにいつまで続ければいいの?」では、「石の上にも3年説」に物申す。
石の上に3年もいるな、自分の“意志”の上に3年いろ。
「嫌な環境でずっと我慢していたら人間おかしくなってしまう」というのが著者の意見。今の会社で「やりたいこと」や「やりがい」を全く感じないのなら、我慢し続けるのは時間の無駄だし、会社にとっても失礼な話なので今すぐ辞めるべきだという。ただの冷たい石の上ではなく、「自分はこれがやりたいんだ」という“意志”の上に3年いることが大切というダジャレのような理論だが、思わず納得させられる。
一方で、同じ章の別の項では、「仕事が続かない人は、恋愛も続かない人が多い」とバッサリ。嫌だと思ったらすぐ辞めることを推奨しているのではなく、自分としっかり向き合って決断することが大切なのだと本書は教えてくれる。
他にも、「得を計算したドジっ子キャラはいずれ必ず損をする」「自分より劣っている人がいないと持てないプライドなんか、てんで必要ない」など、女子あるあるを斬る仕事術が満載。女子のみなさん、本書を読んで思い切り仕事を頑張って、定時に帰ろうではないか。
文=佐藤結衣