夏旅に使える! 首都圏各鉄道会社の「お得なきっぷ」とは?

暮らし

公開日:2017/7/15

『日帰りお得きっぷ旅 首都圏』(JTB パブリッシング)

 夏の朝。蒸し暑さで、不快指数は気温とともに上がる一方だ。しかも、通学や通勤には、毎朝のラッシュアワーが重なる。週末まで、夏休みまで、あともう少し……と、自分をどうにか鼓舞し、電車に揺られながら、近々の旅の計画に思いを馳せ、乗り切っている人もいるだろう。あるいは、目的地を絞り込んでいる最中か。ところで、鉄道には「お得なきっぷ」がいろいろと存在するのを知っているだろうか。

 『日帰りお得きっぷ旅 首都圏』(JTB パブリッシング)は、首都圏の1都7県と伊豆地域の各鉄道会社が発行しているお得なきっぷの情報が満載だ。きっぷを一部、紹介していこう。

「みさきまぐろきっぷ」「葉山女子旅きっぷ」の特典は?

 東京と神奈川を結ぶ京浜急行では「みさきまぐろきっぷ」や「葉山女子旅きっぷ」がある。きっぷの内容は、京浜急行の各駅から「みさきまぐろきっぷ」は三崎口駅間の往復乗車券、「葉山女子旅きっぷ」は新逗子駅間の往復乗車券に、どちらも指定エリア内ではバスのフリー区間乗車券がセット、さらに食事券やおみやげ券もついている。なかなか豪華なきっぷだ。「みさきまぐろきっぷ」については、おみやげ券か、温泉や水族館などのレジャー利用券かのチョイスもできる。本書によると品川駅起点で考えれば、どちらのきっぷも1000円以上のお得度になるそう。これは大きい。

advertisement

 そして、特筆すべきは食事券だ。「みさきまぐろきっぷ」の食事券は、提携先30店のマグロを使った特別メニューからひとつ、「葉山女子旅きっぷ」の食事券も提携先19店の指定の料理からひとつ、自分の好みの店を選ぶことができる。店舗数からして、どこの店にするか迷うほどだ。それぞれ、三崎マグロの味、葉山の店ならではの味を堪能しよう。

 次は、世界遺産への旅。東武鉄道には「東武 まるごと日光 東武フリーパス」がある。東武鉄道各駅から下今市駅間の往復乗車券に、下今市駅から東武日光駅間の鉄道と日光エリアのバスのフリーパス、そしてロープウェーやおみやげ屋など指定施設での優待特典がつき、“4日間有効”のお得なきっぷとなっている。日光東照宮や中禅寺湖など、名所めぐりには最適。旅の予算次第では、宿泊しながらの日光周遊に使用するのもいいだろう。

 本書はお得きっぷをネット検索するより、一気に知ることができるのもいいところ。東急「トライアングルチケット」、京成「下町日和きっぷ」、東武「小江戸川越クーポン」や、フェリーに乗れるきっぷ、ローカル線を満喫できるきっぷ、沿線のアミューズメントパークとのセットのきっぷなど、意外な企画きっぷも多く掲載されている。お得なきっぷごとに、人気スポットやモデルプランも紹介され、旅の目的に沿って、お得に楽しめる便利な一冊となっている。JRの「休日おでかけパス」のお得な使い方も必見だ。都内や近郊に住む人はもちろん、地方から首都圏に遊びに来る人にもオススメである。

 

 巻末には見開きで「首都圏鉄道路線図」が掲載されている。JRや私鉄、地下鉄のひと駅区間の所要時間の目安も併記されており、プランを立てるときも役立つだろう。

 この夏は鉄道で、渋滞知らず、ハンドルキーパーいらずの旅に出掛けてみよう。

文=小林みさえ