「私では役不足です」と言ったことはない? 知らないで使っていると恥をかく「言いまちがい」
更新日:2017/8/7
「上には上がいる」と使ったことはない? 「なおざり」と「おざなり」、どっちも「いい加減な対処」なのだが、一応何らかの対処をしているのはどっち? 日本語って本当に難しい。敬語のバリエーションがあるうえに、言い間違い、書き間違い、読み間違い…二重、三重に、ワナがしかけられている気分! しかし社会人として、あきらめているわけにはいかないのだ。コマ漫画やイラストがいっぱいで読みやすい『会社で恥をかかないための言いまちがい正誤ブック』(盛田 栄一:著、いのうえさきこ:漫画/ KADOKAWA)で、楽しく勉強しよう。間違っているとは思いもせずに使っていた、ことばの多さに衝撃を受けるかも?
漫画の主役は、間違ったことばを連発する、おとぼけキャラの社員・誤代君と、それを訂正する、ポッチャリで憎めないキャラの正木部長という、ユニークなコンビ。オフィス編、会議編、訪問先編、主張先編、アフター5編、休日編、その他と分かれており、どこからでも読むことができ、2人のやりとりを楽しみながら学べるようになっている。掲載されていることばは、なんと200以上! 正誤表で、自分の実力をチェックしてみると、自分のことばの知らなさに恥ずかしくなると同時に、日本語の複雑さにため息が出た。以下に、よく使いそうなもの、難易度が高そうなものを選んで、いくつか紹介してみよう。
×気まじめ ○生まじめ
×とんでもございません ○とんでもないことでございます
×凡例・ぼんれい ○凡例・はんれい
×間がもたない ○間がもてない
×足もとをすくわれる ○足をすくわれる
×準備は万端だ ○準備万端整った
×私では役不足です ○私では力不足です 「自分にはそれ以上の能力がある」という場合に使うのが役不足。アナウンサーの安藤優子さんも間違えて使っていて赤面した思い出があるという。
さて、あなたはちゃんと使えていましたか? 「間違っているよ」と訂正してくれる人がほぼいないのは、「あなたは教養がない人ですね」と言うのと同じことになるからだろうか? 気がつくチャンスがなければ間違った使い方のまま、恥をかきっぱなしで数十年!という場合もあるはず。ぜひここで一度、確認しておきたい! ほぼ漫画気分で読める、とっても楽しい一冊だ。
文=泉 ゆりこ