「座ったほうが休まる」は思い込み! 自律神経を最高に保つ「ほんの小さな行動」とは?

健康・美容

更新日:2017/8/14

『自律神経が整えば休まなくても絶好調』(小林弘幸/ベストセラーズ)

 休みの日には、ぐっすり眠ったり、旅行にいったり、のんびりしたり…そんな「休息」のイメージを持つ人が多いだろう。だが、「休むとは動かないことではない」と、本書『自律神経が整えば休まなくても絶好調』(小林弘幸/ベストセラーズ)の著者、小林弘幸氏はいう。

 朝から晩まで農作業に従事していた私たちの祖先にとっては、座ったり横になったり、動かないことが休息になっていたという。だが、健康のためにスポーツクラブに行って、体を動かすことが求められるような現代人は、「休息」のために、どかっとソファに座り込んだりすれば、かえって疲れをためるというのだ。

 では、本当の「休息」とはどのようなものなのか。小林氏は「休息の基本はストレス軽減」だという。「いくら体をベッドに横たえていても、『悔しいなあ』とストレスまみれになっていたら休んだことにはならない」と説いている。

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 著者の順天堂大学医学部教授、小林弘幸氏は、自律神経研究の第一人者で、臨床の現場でも研究結果を活用し、治療にあたっている。さらに、『なぜ、「これ」は健康にいいのか?』(サンマーク出版)、『自律神経を整える「あきらめる」健康法』(KADOKAWA)など多数の著書もある。このように多忙な著者が「心身が健康でいられるばかりでなく、短い時間でも効果の高い休息を手に入れることもできている」という。そんな著者の生き方のコツが凝縮され、「ストレスを軽減していく休み方」を紹介してくれるのが本書だ。

 昨今キラーストレスが話題になっている通り、「過剰なストレスがかかると、自律神経がしっかりと機能しなくなり、さまざまな不調をきたす」という。自律神経の詳しいしくみは本書にゆだねるが、自律神経には「交感神経」と「副交感神経」があり、この両者がバランスをとり合って健康なリズムをつくってくれるという。理想は「交感神経」と「副交感神経」の両方ともよく働く状態らしいが、年齢を重ねると、副交感神経の働きがガクンと落ちて、どうしても交感神経優位の状態になり、イライラして、「休めていない」感覚が強くなるのだそうだ。そのため、「休息」は副交感神経の働きを戻して、自律神経のバランスを整えることに主眼を置くべきだと、小林氏は力説する。

 ではどうやって自律神経を整えるのか。「ほんの小さなことで」自律神経のバランスは整う、という小林氏が実践している方法は、すぐにできる簡単なものばかりだ。

一例を挙げると、

目覚めたらコップ一杯の水を飲む
週に1日、朝4時に起きる
バナナ1本でもスローに食べる
外に出るまでの玄関で一息つく
家に帰ったら座り込まない
昼食後の2時間は捨てていい
家に帰ったらすぐにテレビをつけない
休日を特別扱いしない
ゆっくりしゃべる
お皿を洗う

など。

ここでは紹介しきれないが、本書には他にも多数掲載されているので、興味のあるものから試してほしい。

文=松本敦子