ウキウキしてしまう部屋の間取りって? 暑い夏、部屋を涼やかにするには? 居心地のよい家をつくる方法

暮らし

更新日:2017/8/14

『早く家に帰りたくなる! 最高にハッピーな間取り』(タブチ キヨシ/KADOKAWA)

 ユニークな間取り図は、見ているだけでワクワクしてくる。自分や家族がどんな動きをして、どんな生活になるのか、想像してしまう。

『早く家に帰りたくなる! 最高にハッピーな間取り』(タブチ キヨシ/KADOKAWA)は、「日本中にハッピーな家をアホみたいに造ること」を目標に全国を走り回る住宅デザイナーである著者が、思わずウキウキする44の間取りを紹介している。

 本書によると、「人がハッピーになる間取り」には、3つの共通項があるという。

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(1)明るい光とさわやかな風が、家の中をめぐる
(2)家事動線にムダがなく、“適材適所”の収納がある
(3)自分時間がしっかりととれる

 ところで、部屋をリフォームするとなると、費用・時間などの負担が大きい。しかし、壁紙を貼り替えるだけでも、部屋をグッとハッピーな雰囲気にできる。

 もちろん、好みの壁紙に替えればいいのだが、間取りの匠である著者が推しているのは、ファッションの世界ですでに浸透している「ノームコア」を取り入れること。ノームコアを知らない人のために説明しておくと、このワードは、ニューヨーク発信のファッションスタイルで、「normal(標準)」と「Hardcore(筋金入り、過激)」を組み合わせた造語で、意味は「究極の普通」。過激で個性的なファッションスタイルに対するアンチテーゼとして生まれた言葉だという。

 しかし、ノームコアをものにするのは難しい。ただ普通の服装をしても、センスがなければ「無個性」「ダサい」という烙印が押されるのみ。ノームコアを実際に楽しむ場合は、シンプルなアイテムで全体像を組み立てつつ、一部に自分らしさをプラスするのがポイントとなるようだ。

 さて、ノームコアを部屋のドレスアップに生かすには、どのようにすればいいのだろうか。本書は次のように語る。

ノームコア=ふつう。家でいったら、ナラ材の床、白窓、白天井の、ごく当たり前の家ってこと。でもそこで終わりじゃないんだな、ノームコアは。“私らしさ”をどこかにプラスする。それが「この家、なんとなくおしゃれ!」につながる…

“私らしさ”を壁紙で表現するのだが、ただ好みの壁紙を壁一面に貼って(貼り替えて)しまっては、ノームコアではない。本書によると、例えば白壁に、床から30cmだけグレージュ(グレーとベージュの中間色)の壁紙を貼る。わずかな色違いで、かつ壁面積のごく一部の変化だが、これだけで雰囲気が一変するという。しかも、今風のオシャレな感じに。ハッピーが満喫できるのだ。

 本書は、ダイニングテーブル横の壁紙や、一部の部屋の天井をポップなドット柄や植物柄にする方法も提案している。

 グッと暑くなった。寒色系の壁紙にノームコアを取り入れて、オシャレかつ涼やかに夏を乗り切るのも、いいかもしれない。

文=ルートつつみ