家は自分でつくった方が面白い! バッファロー吾郎・竹若が挑戦した自宅DIY

暮らし

更新日:2017/9/11

『家は自分の手でつくる。』(主婦の友社)

「マイホームが欲しい」。家庭を持つと誰しも一度は考えるのではないでしょうか。不動産サイトで物件を比較してみたり、評判の良い住宅メーカーを調べてみたり…ついつい時間を忘れてネットサーフィンしてしまいますよね。一生に一度あるかないかの大きな買い物だからできるだけ後悔はしたくない。さて、そう考えたとき「家を自分の手でつくる」という選択肢があるのをご存知でしたか?

『家は自分の手でつくる。』(主婦の友社)では、そのタイトルどおり自宅をDIYした9組のご家族を紹介。「コストカットできる」「資材や設備にこだわることができる」「壊れたときの修繕も自分でできる」「何より愛着が湧く!」など、実はたくさんのメリットがあるセルフビルド。

「家をつくるなんて…」「本棚つくるんじゃないんだから…」と端から無理を決め込むのはとってもモッタイナイ!! 本書には本棚すらつくったことのなかったDIY初心者のご家族も登場しますが、その仕上がりはプロと遜色ないほど。

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 ではどうしたらDIY未経験者でも我が家を素敵にセルフビルドできるのでしょうか。「そもそもセルフビルドのメリットって?」「どのくらい大変なの?」などわき出る疑問に応えるべく、3組の実例をご紹介します。

■「自分でできることはすべてやる」―バッファロー吾郎・竹若さんの場合

 お笑いコンビ・バッファロー吾郎の竹若さんもDIYで家を建てたお一人。テレビや舞台に大忙しの傍らセルフビルドに踏み切ったのは「おまかせで建ててしまったらガマンガマンになる気がして。自分たちでできることは挑戦したいと思った」から。

 壁塗りやタイル貼り、ウッドデッキやキッチン本体まで自主施工したというご自宅は「『ここがいややな』が一つもない」出来上がりに。DIYで工費を抑えた分、珪藻土や大理石など質感にこだわった自然素材を取り入れることができ、2匹の猫たちも心なしか穏やかな性格になったとか。

渾身のDKは、写真奥のキャビネットと、大理石の床貼り、ダイニングテーブルと一体化したアイランドキッチンをDIY。キャビネットは「1カ所だけ職人さんにお願いして、それをお手本に他の部分を作った」ことが成功の秘訣だとか。



吹き抜け以外、壁の珪藻土はすべて自主施工!「近所の文化センターで珪藻土塗りを体験してみて、いけそうだったので」踏み切ったとか。珪藻土塗りはメーカーが体験教室を開催しているので、気になるならまずは参加してみましょう。壁塗りも1カ所だけ左官屋さんに塗ってもらって、教わりながらスタート。

■「はじめてのDIYだから、何とかなると思えたのかも」―岩佐さんの場合

 家中の珪藻土塗り、DK床の大理石貼り、キッチンとダイニングテーブルづくり。これらをすべて1カ月で仕上げたのは、なんとDIY初心者のご主人!「経験がないからこそ、その気になればなんとかなると思えた」という岩佐さん。DIYを選んだ理由はコストコントロールのためで、お任せすると予算オーバーだった珪藻土の壁やおしゃれなオープンキッチンが、DIYなら手に入るということで挑戦を決めたそうです。

キャビネット、キッチン、ダイニングテーブルの制作と大理石の床貼りをDIYしたDK。理想の家と予算を設計士さんに伝えたところ「予算内で理想を叶えるなら自主施工だな」と道を示してくれたと言います。仕事をしながらの自主施工は大変さもあったものの「目標があるから頑張れた」とか。

上の写真にあるDKは奥さんのイメージスケッチを元にご主人が施工。「好きなものが集まっていて嫌なところがひとつもない」と奥さん。

寝室の天井はしばらく木目を楽しんで、飽きたら珪藻土を塗るプランだそう。こんな愉しみ方もDIYならでは。

■「1年かけてコツコツと…。外壁の塗装から天井張りまで!」―大木さんの場合

 結婚当初から理想の家のプランがあった大木さん夫妻。できるだけ自然素材を使いたかったものの、費用が500万円以上もオーバーしてしまい悩んでいたそうです。そんなとき、友人から『ハーフビルドホーム』のことを聞いて見学会に行ってみたのだとか。

「ハーフビルド」とは、基礎工事や上棟工事などの大掛かりな部分をプロに任せ、その他の部分(外壁塗装から天井張り、洗面台・キッチンの組み立てまで)をすべて自分たちで作り上げるというもの。かなりの根気と労力が必要ですが、ご主人は見学会での奥さんの嬉しそうな笑顔を見て「オレが建ててやる!」と一大決心したそうです。仕事の休みは現場に通い、二人でコツコツ1年がかりで理想の我が家をつくり上げました。

お気に入りのカフェをインテリアのイメージソースにしたリビング。窓は「アンダーセン」の木製窓。床材も自然塗料にこだわり、その端材でダイニングテーブルを制作するなど、空間の統一感もバッチリ。



外壁塗装から大木さん一家のDIYはスタート。ドイツ製の自然塗料「プラネット」を使用し、横張り部分はブルーに、縦張り部分はベージュにペイント。その後薪ストーブの煙突を取り付けたり、天井を張ったり…。ひたすら黙々と作業するご主人を見て、奥さんもくじけず頑張れたそうです。

 大木さんのような本格的なハーフビルドから、「できるところをやる」スタンスで挑んだ竹若さん、岩佐さん。皆さん共通しているのは「せっかく建てるならより良いものに」という家・ひいては生活することへのこだわりと、「そのためには自分でやってもいいじゃない」という柔軟な考え方。

 本書では他にも、お友だちや子どもたちと一緒にイベント感覚でセルフビルドしたご家族や、照明や窓・飾り棚などのパーツをアンティークにこだわって揃えたお家など、眺めて楽しい実例がもりだくさん。具体的な工事費や「塗る・張る・木工」それぞれのDIYの難易度やコツまで網羅しているので、マイホームを検討している方にはもちろん、「一生賃貸派」の方にとっても暮らし方の参考になるオススメの一冊です。

文=八巻奈緒