「SNSで簡単に『いいね』するヤツは危険」 バカは結果的に成功する!? ウシジマくん×ホリエモンの“人生が変わる”マンガ!

マンガ

公開日:2017/9/13

『バカは最強の法則 まんがでわかる「ウシジマくん×ホリエモン」負けない働き方』(堀江貴文:著、真鍋昌平:原案、松本勇祐:作画/小学館)

 大学で勉学に励み、就活を切り抜け、やっとの思いで就職したのに、与えられた業務をこなすだけの退屈な仕事に、上司や同僚との関係に神経をすり減らす日々。今の働き方に意味があるのか? そんな疑問を抱える社会人の方も少なくないのではないだろうか。

 『バカは最強の法則 まんがでわかる「ウシジマくん×ホリエモン」負けない働き方』(堀江貴文:著、真鍋昌平:原案、松本勇祐:作画/小学館)は、ホリエモンこと堀江貴文氏と、いよいよ最終章を迎えた人気マンガ『闇金ウシジマくん』のコラボ書で、堀江氏が「短い時間でより多くの情報を吸収できる最強のメディア」と称するマンガでは初の出版となった。

 同書では「ホリー」と呼ばれる、奔放なビジネスマンにデフォルメ化された堀江氏が「SNSで簡単に『いいね』するヤツは危険」「カネの本質を知らないヤツは失敗する」「ビジネスはギブ&ギブ、おまけにギブ!」など、カネやビジネス、SNSの本質から導き出した成功メソッドを提唱する。その一方で、人の欲望をカネで操り、誰にも「奪われない」生き方を徹底するウシジマくんも登場。起業に興味を示す一人のOLが「表社会」と「裏社会」の二つの生き様に影響を受け、仕事の問題を次々と解決し、彼女をビジネスパーソンへ変えていく、ストーリー仕立ての斬新な一冊だ。

advertisement

 タイトルにあるように、同書の冒頭において堀江氏は「バカは最強なのだ。」と語る。

「けなしているわけではない。バカは平気でリスクを取り、失敗を怖れない。いい意味で鈍感。何度でもチャレンジを仕掛けられ、結果的に成功する。」

 リスクを慎重に見極めることも重要だが、動き出してみないことには始まらない。成功を引き寄せる人というのは、チャレンジしてみる回数が多い。周囲の意見に惑わされず、大事なもののために他のことを切り捨て、自分の意志で自由に生きていく。堀江氏自身も、その「ある意味バカな生き方」を実践し続けて成功を手にした一人なのだ。

 そうは言っても「バカになる」ことは簡単ではない。ましてや会社員ならば、協調性や人間関係を保つ努力が評価に繋がることがあるし、人の目に鈍感ではいられないだろう。しかし、堀江氏はこれを“小利口に頭をつかっていろんなものから逃げ回っても人としての根本的な不安は解消しない”と一刀両断する。

 たとえば、上司の機嫌を取ったり、同僚の足を引っ張ったりすることは、小手先の知識を働かせているに過ぎない。そんなことで悩んでいるぐらいなら、バカになっていろいろなことに挑戦してみるべき、という指摘だ。

 実際に、ビジネスにおいては「協調性よりもスピーディに実践する能動性、競争力こそ武器になる」ということも併せて解説されている。

 同書には、メインストーリーに説得力を持たせる『闇金ウシジマくん』のエピソードも各章に登場する。人間関係に振り回される例として、ウシジマくんの実写版でも取り上げられた「中年会社員くん編」がピックアップされている。会社にしがみつこうとする加茂と、彼に陥れられ不遇な経験をしたのち、自分の意志で生きていくことを選択し、会社を辞める曽我部。大企業に勤める2人の中年サラリーマンの行く末を二分するシーンだ。曽我部は会社によって追い詰められていたが、可能性の広がる新しい世界へと飛び込み、成功と充実を掴むための第一歩を踏み出した。堀江氏の言葉を借りれば「突き抜けたバカ」になったキャラクターと言えるだろう。

 堀江氏は「自分の好きなことをやる覚悟があればいい」と語る。マンガの中で、最初はズバズバと厳しいことを言っていた「ホリー」も、最後には「自分には才能がないからと動き出そうとしないのは、自分で限界を決めているようなものだ。」と、主人公のOLを激励し、背中を押す。あのウシジマくんでさえ、起業するつもりで働く気を見せた債務者の一人には「場合によっては利息下げてやるよ」と言っていた。

 とにかくまずは大胆に行動し、バカになって走り回る人こそが、魅力的な人生を手に入れるのかもしれない。成功者の言葉を真に受け、ただ実行してみるのではなく、見識を広げながら、賢く自分の意志を保つ人こそが結果を出し、新たな成功者となるのだろう。

 同書の作画を担当した松本勇祐氏が『闇金ウシジマくん』を4コママンガでコミカルに描いたスピンオフ作品『やみきんっ うしじまきゅん(全2巻)』も、女性ウシジマファンに特にお勧めしたい一冊だ。そして本編『闇金ウシジマくん』は40巻を迎え、丑嶋が「闇金のウシジマ」になった経緯、最終章の重要人物である滑皮や獅子谷サイドの物語、ヤミ金くん編の竹本の過去など、核心が明らかになってきている。41巻は10月下旬頃発売予定。

 映画化以降も、ホリエモンとのコラボなど、さまざまな形で盛り上がりを見せるウシジマ関連作品に、触れてみてはいかがだろうか。

文=田中ユリ(清談社)