筋トレの間違った常識! いつまで「プロテイン=太る」と思っているのか?
更新日:2017/10/23
「陰口悪口嫌がらせに反応してはいけない。イライラするとストレスホルモンが分泌され、筋肉を分解してしまう。必死で手に入れた愛する筋肉を分解されるなんて凶悪犯罪だ。ネガティブを徹底排除して筋肉を守るんだ。そして、心の平穏を保つのだ」などのパンチの効いたツイートが話題になり、今やフォロワーが27万人を越える Testosterone 氏(@badassceo)。
マッチョ社長として熱狂的なファンを持つ彼が発売した「筋トレビジネスエリートがやっている最強の食べ方」が話題になっている。そこで、「プロテイン」にまつわる都市伝説をぶった切ってもらった!
逆に聞きたいが、なぜ「プロテイン」を飲まないのか?
私はよく聞かれる質問が「プロテインは飲んだほうがいいですか?」というもの。これに回答するなら「食事でタンパク質が十分に摂れていれば必要ない」というものだ。「え? いらないの?」と思うかもしれないが、プロテインは栄養補助食品の一つ。プロテインはあくまでタンパク質を便利に摂取する「手段」であり、サラダチキンやツナ缶から摂取しようがプロテインから摂取しようが基本的に違いはない。むしろ私は、「1日の大半のタンパク質はプロテインよりも肉や魚から摂るべき」と考えている。
ようは、「今日、タンパク質足りてないな」と思えばプロテインを飲めばいいのだ。プロテインは効率よくタンパク質を摂取できるように工夫されていて、例えば素早く吸収されるし、パウダータイプなので管理がしやすい。シェイカーに入れておけば持ち運びやすいし、外出先でも水を入れてシェイクすればすぐに摂取できる。サラダチキンよりプロテインのほうが低価格であるという事実も見逃せない。
また、プロテインは商品によって異なるが、炭水化物や脂質はほとんど含まれていないのも嬉しいポイント。例えば、肉を食べてもタンパク質は摂取できるが、部位によっては必要以上の脂質を摂取する可能性もある。また、そんなに多くの量は食べられないし、調理の手間やコストもかかる。その点、プロテインは摂取しやすく、コスパもいいのだ。
プロテインはサプリメント。足りなければ活用あるのみ
ちなみにタンパク質は、筋肉・内臓・肌・髪・爪など、身体のありとあらゆるパーツの材料になる最も重要な栄養素。しかし、日本人はタンパク質が不足しがちだ。なので、プロテインはいわゆるマッチョ専用ではなく、トレーニングしていない人も活用してほしいと思っている。
プロテインは美味しくないというイメージを持っている人も少なくないだろう。たしかに、以前はマズいものも多かった。だが最近は、シェイクやスムージーのようなデザート感覚で飲めるぐらい美味しくなっている。定番のチョコ味のみならず、チョコチップクッキーやストロベリー、メープル味やフルーツポンチ味などそのバリエーションは多種多様。ただし、プロテインはコンビニやスーパーには流通していないので、ネットで購入するのがベストだ。
プロテインは太らない! プロテインに罪をなすりつけるのはやめてくれ!
プロテインといえば、「プロテインを飲むと太るんでしょ?」と思っている人も少なくない。だが、タンパク質は三大栄養素(タンパク質・脂質・炭水化物)の中で最も脂肪になりづらい存在だ。我々が食事をするときには、カロリー摂取と同時に、その食事を消化吸収するためにカロリーを消費していて、これを「食事誘発性熱産生」という。タンパク質はこの値が炭水化物や脂質よりも高いので、太りづらいという理屈だ。とはいえ、タンパク質も1gにつき4kcalあるので、飲み過ぎはNG。
とはいっても、「プロテインを飲んで太ってしまった」という人のほとんどが、そもそも一日の摂取カロリーがオーバーしていた可能性が非常に高いのである。それはプロテインというより、他の食事内容の問題なのだ。
では1日にどれくらいタンパク質を摂ればいいの?
ここまで読んで「ではどれくらいタンパク質を摂ればいいの?」と思った人も多いと思う。ここでバシッと「○○g摂れ!」と言いたいところだが、残念ながら性別や体重、日々の運動量などなどで摂取すべきタンパク質は異なるため一概に言うことはできない。そこで紹介したいのが、「マクロ管理法」だ。
これは、性別・身長・体重・年齢、そして3段階に分けた活動量から算出した1日に摂取すべき総カロリーと、そこから導かれたマクロバランスに沿って食べるだけという超シンプルな食事法。私はこの方法に出会って以来ずっと続けているし、他のダイエット法を試したこともない。というか、試す必要がなかったくらい非常に優秀な食事法だし、僕の“最後のダイエット”にもなった。
食べて痩せる!シンプルで最強の食事法とは?
マクロ管理法の詳しいやり方は拙著『筋トレビジネスエリートがやっている最強の食べ方』でわかりやすく解説している。この本さえ読めば、ダイエットだけでなく健康的に生きていくための一生モノの食事の知識が手に入る自信作だ。ぜひ手にとってみてほしい。
そして、実はこの本の最重要項目であるマクロ管理法のノウハウが解説された第2章とまえがきを僕のブログで全編無料公開している。
◆「【最強の食べ方】マクロ管理法完全解説 前編」
◆「【最強の食べ方】マクロ管理法完全解説 後編」
正直な話、このブログを読んでマクロ管理法のすべてを自分でできると思った人は本を買わなくてもいいという内容だ。だが、『筋トレビジネスエリートがやっている最強の食べ方』には、マクロ管理法を長く続けるための方法もまとめてある。例えば、どうしても断れない飲み会の対処法やついつい食べすぎてしまったときの対処法、太り辛いスイーツの食べ方やマクロ管理法に役立つレシピなんかが掲載してある。まずはブログを読んでみて、気になったら本も手にとってみてほしい。
■著者プロフィール
Testosterone(テストステロン)
1988年生まれ。学生時代は110㎏に達する肥満児だったが、米国留学中に筋トレと出会い、40㎏近いダイエットに成功する。大学時代は総合格闘技団体・UFCのトッププロ選手と生活をともにし、最先端のトレーニング理論とスポーツ栄養学を学び、自身も米国にてデビューを果たす。現在は、とあるアジアの大都市で社長として働きつつ、筋トレと正しい栄養学を普及させることをライフワークとしている。2014年よりツイッターを開始。3年でフォロワーが20万人を突破(2017年7月現在)。完全無料のダイエット・筋トレ情報サイト「DIET GENIUS」、有料オンラインパーソナルサイト「GENIUSPERSONAL」、無料のアスリートメディア「STRONG GENIUS」の代表を務める。著書に10万部を突破した『筋トレが最強のソリューションである マッチョ社長が教える究極の悩み解決法』(U-CAN)のほか、『筋トレライフバランス マッチョ社長が教える完全無欠の時間管理術』(宝島社)、『尻トレが最強のキレイをつくる』(Miharuとの共著・U-CAN)、『筋トレビジネスエリートがやっている最強の食べ方』(KADOKAWA)がある。
著者twitter https://twitter.com/badassceo