恋人が記憶喪失に…でも当人は悲愴感ゼロ、能天気すぎる! ドラマセオリーを吹き飛ばす、底抜けに明るい百合カップル『明るい記憶喪失』
公開日:2017/10/7
“記憶喪失”。それはドラマにおいて主人公たちを襲う、試練のド定番。今まで築き上げてきたものが、すべて消えて無くなってしまう。そんな悲劇によって引き起こされる本人と周囲の戸惑い、嘆きが、重くシビアな空気を作ります。
しかし、本作のアリサは、そんな“記憶喪失”に冒頭からいきなりかかっているにもかかわらず、お決まりの悲愴感が一切ありません。
目が覚めて最初に視界に入った恋人のマリを見て、好みの女性だと大はしゃぎするアリサに、記憶を失った人間の悲しみは一切皆無です。
女性同士の百合カップルで、しかも、ちょうどマリと付き合っていた、3年間の記憶だけスッポリと抜け落ちているという、不幸の役満のような状況。普通ならまず自分の恋人が同性だったという事実だけで、単行本3巻分は引っ張れる苦悩ネタです。
…にもかかわらず、記憶を失う前と何ら変わりなく(いや、前以上かも!?)マリを愛し、ピュアにラブアタックをぶつけるアリサの底なしの明るさに、幸せな気持ちで満たされることでしょう。
(C)奥たまむし