『自虐の詩』の作者の隠れた傑作はギャグマンガにしてとびきりのラブストーリー! 浜野謙太主演でドラマ化も!
更新日:2017/12/11
ギャグマンガを読んでいたはずなのに、いつの間にか号泣させられている。『自虐の詩』で無二の作風を築いた業田良家は、『男の操』(新装版全1巻)でもその作風を全面展開させた。主人公は、演歌歌手の五木みさお。亡き妻に誓った紅白歌合戦出場を夢見ながら、ひとり娘のあわれと地道な営業活動を続ける──。本作が、7人組バンド「在日ファンク」のボーカルで、愛嬌満点の演技で知られるハマケンこと浜野謙太主演でドラマ化される。
原作は、「売れない」状況を逆手に取ったショートギャグの嵐。亡き妻が生前に遺した大量のビデオテープを再生することで、なぜだか親子3人の会話が成立してしまう不条理ギャグがおかしくてたまらない。ところが終盤、ギャグのお約束として使われていたあるモノが、まったく異なる使い方で現れる。「瞬間と永遠は、きっと同じものでできてるよ」。
泣きに泣いた。そして、ときめいた。ハマケンはもちろん、アパートの隣人・万田さんを演じる川栄李奈の演技にも注目したい。実は本作、『自虐の詩』にも負けないとびきりのラブストーリーなのだ。
文=吉田大助
『男の操』
原作:業田良家(小学館ビッグコミックススペシャル) 出演:浜野謙太、倉科カナ、川栄李奈ほか 11月12日(日)より毎週日曜22:00~NHK BSプレミアムで放送〈49分・全7回〉