「自分には無理、できない」と消極的になったら読む本。高校中退ニートから億を稼ぐ営業マンに這い上がった「錬金術師」の勇気のでる言葉!

ビジネス

更新日:2017/11/13

『ゼロから這いあがれ! 裸の錬金術師 今すぐ人生を大逆転させる魔法の言葉81』(大成信一朗/サンライズパブリッシング)

 某人気アニメのおかげで、若年層にも広く知れ渡った言葉、それが「錬金術」だ。古代ギリシアや古代エジプトに端を発し、多くの科学者や神秘家などが関わりながら模索した、金(きん)ではないものを金に変成させようとする術は、換言すれば「不可能を可能にする術」である。また転じて、お金を生みそうもないものを、アイデアや創意工夫でアレンジすることで、思ってもみなかった大金を手に入れること、無価値を有価値にすること、無(ゼロ)から有(1)を生むこと、などにも「錬金術」という言葉が使われる。

 そして、そんな不可能を可能にしてしまう人物が、錬金術師(アルケミスト)である。

 学歴もなく、かつて3年間、ニートでネトゲ廃人だったという大成信一朗氏は、一念発起して営業マンでNO.1となり、さらにネットビジネスで大成功を手にする。まさにネット時代の錬金術師である。そんな大成氏を支えた人生訓をまとめたのが、『ゼロから這いあがれ! 裸の錬金術師 今すぐ人生を大逆転させる魔法の言葉81』(大成信一朗/サンライズパブリッシング)だ。

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 本書はメインパートとして、成長し続けるために/自分を見つめる/他者と向き合う/成功と失敗、という4つのテーマに対して、著者が自らの人生で学び取った言葉の数々とその解説が記されている。

 しかし本書の特長は、メインパートだけに限らず、「はじめに」から「あとがき」まで、本書全編にわたって珠玉の言葉がちりばめられていることだ。

 例えば、「はじめに」の冒頭にもこんな言葉がある。

口に十と書いて叶う。

口に出せば出すほど批判されて傷つくけど
それでも乗り越えて伝え続ければ本物になり
十回目には必ずその想いは叶う。
(本書「はじめに」より引用)

 どこでどんないい言葉と出会えるかわからないので、本書は隅々まで読むのが正解なのである。

 また4つのテーマの間には、著者の人生を振り返る3つのコラムが配置されており、著者がいかに紆余曲折の人生を歩んできたか、いかにして成功法則を導き出してきたか、その道のりがたどれるようにもなっている。

 声優を目指し上京したという著者。しかし夢が叶うどころか、気づけば残金500円という悲痛な現状を打破するために始めた営業職で著者は、トップセールスマンの先輩に同行し、そのコツを学びつくす。その後、先輩を抜いてトップの地位を築いた教訓をこう記す。

成果が一切出てない自己満足の我流でやるより
成果の出る亜流で良いってこと
突き詰めてやっていけばいつかはオリジナルを超えることもできる。
(本書コラム STORY1より引用)

 また、別のコラムでは2か月で230円しか稼げなかったネットビジネス(アフィリエイト)が月に6000万円を稼ぐに至った背景にも、成功事例をいかに参考にするかという著者なりの成功哲学が記されている。

 一方で、ネットビジネスには、「楽して儲ける」というイメージがつきまとう。その誤解に対して著者は、「成功と失敗」の中に記した「金の生る木は、自分の内側にしかない」という言葉の解説文でこう釘を刺している。

「楽して儲ける!」はそろそろ卒業しても良いんじゃないかと思う。
(中略)
金の生る木は自分の外にあるんじゃなくて常に内側、自分の中にしか存在しない。
丹精込めて育てて、
ときには枝打ちをして傷つけて、
水やりをして着実にまっすぐ大きく育て続けることができれば、
いつか必ずうまくいく。

 著者の言葉は、ネットビジネスを志す人のみならず、誰もがそれぞれの人生に生かせる言葉であり、人生訓だ。「自分には●●なんて、ちょっと無理かな」なんていう消極的な局面を迎えたら、ぜひ本書からゼロを1にも2にもする術を学んでみてほしい。きっと、一歩踏み出す勇気をプレゼントしてもらえることだろう。

文=未来遥