「声コンプレックス」がなくなれば人生が好転! 声の大切な要素「無音の音」を整える方法とは?
更新日:2017/11/16
自分の話す声。普段の生活では、どんな声を出しているかまで意識している人は少ない。意外と人知れず、声にコンプレックスを抱えたまま、日々過ごしている人もいるかもしれない。
『声を整えると人生が輝く』(キリロラ☆/東邦出版)では、会話術以前の、「声」そのものに着目。自分の声が嫌い、自信がないなど声のコンプレックスを解消するだけではなく、“本来の自分の声“に整えていくことで自身の内面も変化していくという。
著者のキリロラ☆氏は、ダンサーから有名歌手のバックコーラス、ボーカリストに転じ、CMナレーションも多数、以前はアイドルや俳優のたまごのボイストレーニングも担当。まさに“声”のプロフェッショナルだ。さらにバンドの一員として、海外ツアーも経験済みという経歴の持ち主である。現在は、古代・縄文文化をテーマにした歌や舞のパフォーマンスをするアーティストとして活躍している。
その一方で2009年から“声そのものに特化したボイストレーニング教室”を立ち上げ、これまで1000人以上の生徒に教えてきたそうだ。実際にレッスンを続けることで、本来の自分の声を取り戻せた生徒の様々な変化を見てきたという。“声のバランスが悪い”“声のねじれ”とはどういった理由からなのか、“本来の自分の声”とはどんなものなのか、どうして“声を整える”と身の回りが好転していくのかを順を追って解説し、実際に声を整えるためのメソッドも記されている実用書でもある。
声には「有音の音」と「無音の音」が存在するそうだ。有音とは文字通り、ふだん私たちの耳に入ってくる音である。「無音の音」とは聴覚としては捉らえられないが「量子力学で解明されている“振動”」として存在し、自然物、人工物問わず、すべての物質から「振動」が生じ、空間を経て「波動」となって私たちにも伝わってくると著者は語る。
だからこそ、美しく整った波動を出すことができる「声」は、大きな武器になります。「声」とは意識の振動であり、もっといえば「声=魂」です。「有音の音」を一音一音、正しい音で発声し、「無音の音」も一音一音正しく整えて、それらがバランス良く合わさればとても美しい響きとなり、その声で話すだけで美しい振動が広がり、場を整え周りを心地良くさせるような力を持つのです。
すぐメソッドに入りたいところではあるが、声を出す前のイメージトレーニングも大切な役割をすると著者は説く。ややスピリチュアルな要素を帯びているが、そのやり方は、裸足になり「足裏で大地をつかむイメージ」「神聖な場所をイメージ」などを連想すること。自分と大地が繋がり「大地からのエネルギー」を取り込むことによって“エネルギーに満ちた良い声が出る”そうだ。家ですぐに始められるトレーニング方法が書かれている。また、母音はとても大きなエネルギーを持っているという。「“アイウエオ”の正しい口の開き方」と題して、母音の発声強化のためのコツが、わかりやすく丁寧な説明で掲載されている。
本書のメソッドを活用して、自分の「本当の声」を認識し、コミュニケーションも人生もいい方向へと自らを導いていこう。
文=小林みさえ