豆苗ってこんなに使える! 安くて栄養満点の豆苗レシピ【作ってみた】
公開日:2017/11/22
日々の食事が体を作っている以上、少しでも栄養のあるものを食べたいし、食べてほしい。しかしお財布の中身は限られている。今月はイベントが重なって余裕が……なんて月もあるはずだ。そんな時にぜひとも活用したい、「豆苗」。10月、豆苗レシピだけを集めた『おトク素材でCooking♪Vol.26 豆苗はNewヒーロー!』(オレンジページ)という本が登場した。
本書によると、豆苗は水耕栽培のため一年中価格が安定しており、大抵100円前後と安い。そして栄養面でも、β‐カロテンやビタミンC、ビタミンKを中心に、全てのビタミン類をバランスよく摂取できる優れものだ。さらに不溶性の食物繊維を多く含んでおり、アンチエイジングやデトックス効果も期待できるそう。こんな便利な食材を使わない手はない。そこで、本書で紹介されているレシピの中から、これからの季節に重宝しそうな、あったかメニューを中心にいくつか作ってみた。
■「豆苗、鶏肉、れんこんのバター塩昆布炒め」(P.13)
1つめは、塩昆布と鶏肉の旨みがぎゅっと詰まった「豆苗、鶏肉、れんこんのバター塩昆布炒め」。水にさらしたれんこん、塩こしょうと片栗粉をまぶした鶏もも肉をオリーブオイルで炒め、塩昆布、酒、醤油、塩こしょうで味付けする。最後に豆苗とバターを加えてさっと炒めれば完成。
旨みをたっぷりまとった豆苗は、シャキシャキとした歯ごたえがちゃんと残っていて、味だけでなくいろんな食感が楽しめる一品。バターの風味がより食欲をそそる。ごはんのおかずとしてはもちろん、お弁当にもオススメだ。
■「豆苗とワンタンのしゃぶしゃぶ」(P.17)
2つめは、これからの季節に嬉しい「豆苗とワンタンのしゃぶしゃぶ」。鍋にお湯、生姜の千切り、鶏がらスープの素、ごま油、塩を入れて煮立て、豚ひき肉、ねぎ、醤油、酒、ごま油、塩こしょうを混ぜて包んだワンタンを煮る。ワンタンに火が通ったら、レタスを加え、食べる直前に豆苗をさっと茹でて完成。たれはにんにくと生姜のみじん切り、醤油、酢、ごま油、ラー油。
鶏がら、豚肉の旨みが溶けだしたスープ、薬味たっぷりのたれにくぐらせた豆苗は、いくらでも食べてしまいそうになる。シンプルなのに飽きさせない味で、筆者はあっという間に一束使い切ってしまった。
■「豆苗とソーセージの和風グラタン」(P.23)
最後は、とろっとしたホワイトソースがたまらない「豆苗とソーセージの和風グラタン」。まずはフライパンにバターを熱し、ソーセージ、玉ねぎを炒める。続いて火が通ったら小麦粉を加え、牛乳を少しずつ加えて伸ばしていき、味噌、塩こしょう、豆苗を加えてひと煮たちさせる。あとは耐熱の器に移し、ピザ用チーズ、パン粉、バターをのせてトースターで焼けば完成。
味噌が香るホワイトソースに玉ねぎ、ソーセージの旨みが合わさり絶品! こんがりとしたパン粉とチーズは、嫌いな人なんていないはず。濃厚な味わいで豆苗のクセをほぼ感じないので、豆苗が苦手という人にもぜひ試してほしい一品。
どのレシピもさっと作れて、これで栄養がしっかり摂れるというのは非常に有難いと感じた、そして豆苗といえば、再生栽培ができることでも有名だ。栽培方法は簡単で、使ったあとの根本の部分を容器に入れ、豆部分が水に浸からない程度に水をやるだけ。本書によると、ポイントは「わき芽」を2つ残した場所で切ることだそう。
■せっかくなので、育ててみた
育ててみた率直な感想はというと、毎日水を換えながら2週間近く育てる手間を考えると、正直お得かどうかは微妙なところ。大人しく100円払ってスーパーで購入するのが得策のような気もする。
しかし一度育てると、まだ育つ根っこの部分を捨ててしまうのも若干いたたまれない気持ちになる。時間に余裕がある人は、趣味として育ててみるのもいいかもしれない。家族で育てれば、「食育」としては良さそうだ。
たった100円で様々な使い方ができる便利食材、豆苗。「よく見かけるけど使ったことはない」「調理方法が浮かばない」という人は、この『おトク素材でCooking♪Vol.26 豆苗はNewヒーロー!』で豆苗レシピの幅を広げてみては?
調理・文=月乃雫