ツライ頭痛…薬なしで治すカギは「血流」にあり!
更新日:2018/1/22
頭痛はツラいものだ。出先で頭が痛くなってしまえば、どんなに楽しい場所であってもイヤな思い出になってしまうし、日常生活の中でも、仕事・家事・勉強に集中できないだろう。私自身、慢性的な頭痛に悩まされたことがあるので、頭痛持ちの方々の苦悩はよくわかる。
そんなツラい頭痛が「あなたの頭痛は“首こり”が原因」で、薬を使わずに治すことができると聞いたらきっと驚くに違いない。そんな、私たちが抱いていた常識をひっくり返す頭痛治療法が紹介されているのが『頭痛は「首」から治しなさい 慢性頭痛の9割は首こりが原因』(青山尚樹/青春出版社)だ。
著者は脳神経外科医であり、医学博士の青山尚樹氏。脳神経外科からのアプローチに加えて、栄養療法や鍼治療といった手法を取り入れ、頭痛・目まいなどの治療に当たるスペシャリストとして活躍している。
まず知らなければならないのは、頭痛には「一時性頭痛」と「二次性頭痛」の2種類あるということ。
一時性頭痛は頭が締め付けられ、重く感じる「緊張型頭痛」、痛みが片側でズキンズキンと拍動するように響く「片頭痛」、涙や鼻水などを伴い、耐え難い痛みを引き起こす「群発性頭痛」などのタイプがある。これらは頭の中に原因があるのではなく、それ以外の器官が原因で頭痛を起こすそうだ。
一方、二次性頭痛は頭全体が痛む、突然激しく痛む、麻痺・しびれなどを伴うといった特徴が挙げられる。これらは、くも膜下出血や脳出血、脳腫瘍など命に関わる病気のサインとなることもあるので、「いつもとちょっと違う…」という頭痛の場合は早急に検査が必要。
慢性的に頭痛に悩む人の多くは一時性頭痛であることがほとんど。本書によると、タイプにかかわらず、首の筋肉の緊張状態が続く「首こり」が原因の9割以上となっているそう。そのメカニズムとして首回りの筋肉、特に「板状筋」という頭部を支える筋肉が痛みを感知する神経を刺激してしまい、ちょっとした刺激で反応してしまうようになるという。
つまり、首こりが改善されれば、頭痛も改善されるということだ。では、首こりの原因は何なのだろうか。その一つに大きく姿勢・冷え・目の疲れ・嚙み合わせが原因となる内因があるという。長時間スマートフォンやパソコンを使用する、本を読むなど下を向く姿勢を続けていると首こりの原因となる。私のような毎日パソコンとにらめっこする仕事の方は要注意。時間があるときに筋肉をほぐすマッサージを取り入れるべし! 詳しいマッサージ方法は本書に記載されているので、参考にしていただきたい。
また、低血糖症・鉄欠乏・ストレス・不眠といった外因も、頭痛を起こす原因の一つ。原因がわかれば改善と予防が可能だ。血糖値・鉄分に気を付けた食事を摂ることで首こりを防ぐことができる。もちろん食事だけでなく、規則正しく睡眠をとることも欠かせない。ついつい、夜更かししてしまう私にとって一番の課題は睡眠不足。少しずつ早く寝るようにするなど改善を心がけねば……。
さらに驚いたのは、首こりが薬の効きを悪くしてしまうということだ。つい、頭痛になると薬を飲んでしまう。そして、薬が効かないからと量を増やしてしまうと、副作用などで血流が悪くなり、さらに悪化してしまうそう。薬に頼る前に、生活習慣や姿勢を改善して、首こり解消を図りたいものだ。
文=冴島友貴