ビジネスにおいて「非合理なカオス」が持つ力をまとめた、『ひらめきを生み出すカオスの法則』が2017年12月13日（水）に発売された。

　エコノミストである著者が、「アクシデント」「アドリブ」「混乱」「偶然」に代表される「非合理でカオスなもの」の重要性や活用法を紹介する同書。実際に、デヴィッド・ボウイにキング牧師、ジェフ・ベゾスやトランプなどの著名人達も「カオス」を効果的に使っていたという。

　一方で今の社会は必要以上に整然さを求めて、適度なアクシデントや混沌の可能性を無視してはいないだろうか。「プロジェクトの進行には綿密なスケジューリングが重要」「チームワークを高め、生産性を高めるには同じような考え方をした人でチームを固めるべき」「講演は事前にしっかりと準備した原稿をそのまま話すべき」「新規事業は他社の動向を見定めながらしかるべきタイミングで行動に移すべき」…。過剰に整理された環境では「カオス」の魅力は享受できない。

　アーティスト・政治指導者・経営者・研究者などを徹底的に取材した著者が、「カオス」がビジネスの局面でもたらしているメリットを証明していく。混乱や偶然を乗り越えようとするのではなく、活用すべきだとする著者の主張に耳を傾けてみよう。

　ひらめきを生み出す非合理な力が、この1冊で解き放てるかもしれない。

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