「忘れようとしない」「嫌いになろうとしない」「復縁を期待しない」DJあおいの失恋から立ち直るための恋愛指南『想いよ、逝きなさい』

恋愛・結婚

更新日:2017/12/2

『想いよ、逝きなさい』(DJあおい/幻冬舎)

 すべての恋が叶うわけでもなければ、愛し合った恋人たちに別れが訪れるのも世の摂理。そうはいっても、失恋したあとは頭の中が真っ白になり、何も考えられなくなってしまう人もいるのではないでしょうか? 失った恋への“想い”は募るばかり……という方にオススメなのが、9月に発売された『想いよ、逝きなさい』(幻冬舎)。

 著者は、Twitterで独自の恋愛観を綴り、2アカウント合計で約35万人のフォロワーを抱える恋愛アドバイザー・DJあおいさん。同書の冒頭には「失恋で自分を嫌いになってしまわないように、失恋で自分を好きになれるように、そんな気持ちを込めてこの一冊にまとめてみました」とあり、失恋や未練、執着、依存など、どちらかといえば恋愛のネガティブな面を扱ったコラムが多数収録されています。

 ブログをはじめ、Twitterでもフォロワーからの恋愛相談を受けているあおいさん。「15.気持ちを手放すために、三つの『しないこと』」と題されたコラムでは「1年と数カ月一緒だった彼にフラれました。もう泣いて泣いて泣きまくりです。こういうときはどう考えればいいですか?」という相談者の悩みに、ある提案をします。

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 まず、“失恋を忘れるため”という名目でアクションを起こしても、失恋の枠から出られないことを伝えて「失恋を忘れるために必要なことは、何をするかより何をしないかなんですよ」と、あおいさん。何をしなければいいかというと……

・忘れようとしないこと
・嫌いになろうとしないこと
・復縁を期待しないこと

忘れるときというのは、いつ忘れたのかわからないくらいに、いつの間にか忘れているもの」と、あおいさんは綴っています。忘れようとすればするほど陥ってしまう負のスパイラル。それを打破するには、流れに身を任せることも必要なんですね。

 “じゃあ時間が解決するまで、泣きながら過ごさなきゃいけないの?”と、絶望してしまった方もご安心を。「34.忘れようとするのではなく無関心になるんです」というコラムには、より実践的な忘れ方が紹介されています。

「忘れるということは関心をなくすということ。幸せを願うことすらしてあげない。嫌いになろうとすらしてあげない。別れたからといって特別に何かをしようとはしてあげない。それが関心をなくすための最善策になるわけです。
 好きの反対は無関心ですから、関心をなくすことが最も辛い作業になるんですよ。

 嫌いになろうとしたり相手の幸せを願ってみたりするのは、辛い想いから逃げるためなので、忘れられるわけがありません。でも、逃げずにちゃんと傷付けばちゃんと忘れられるんですよ」

 忘れるためには、しっかり傷つかなければならない。失恋で得た痛みはきっかけでしかなく、傷ついて忘れるまでがセット……。肝に銘じます。

 同書には、恋人を忘れるテクニック以外にも「前の恋人との思い出の品は処分すべきか否か」など、多くの人が抱える悩みや、DVの彼氏と別れられない女性へのアドバイスなど、さまざまな“恋愛指導”が繰り広げられています。

 失恋から立ち直るための恋愛指南書『想いよ、逝きなさい』。忘れられない想いを成仏させたい方にオススメの一冊です。

文=谷口京子