東北「津波ライン」の真相を知っていますか? 東日本大震災の時、神様は何をしていたのか? 現地取材で明らかに

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更新日:2017/12/5

『神仏のなみだ』(桜井 識子著/ハート出版)

 東日本大震災から6年が経ち、時間の経過とともに震災の記憶が徐々に薄れてきた人もいるだろう。だが、日常生活を一変させたあの光景を思い出すたびに、なぜ神仏は人間を救うことができなかったのかと思わずにはいられない。また津波の被害にあった浸水地域をつないでいくと、そのライン上にはたくさんの神社が集まっている不思議な現象があったという。

「神社が津波を止めたのか」という一部の報道もあったが、果たして真相は――こうした現象と正面から向き合ったのが、『神仏のなみだ』(桜井 識子著/ハート出版)だ。

 神仏の心理や神社仏閣参拝に関する情報を数多く執筆してきた著者が、津波到達ラインにある神社のいくつかを訪問。本書では震災当日の神様の行動と、現在の神社の様子、そしてそこにいる神様の状況が記されている。

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 例えば、福島県南相馬市にある「津神社」。小高い丘の上にあるこじんまりとした神社の神様は、白いひげを長くのばしたおじいさんだ。だが著者が「津波から6年も経っているのに、このような状態でいらっしゃるのか…」と驚くほど、おじいさんの神様は疲弊し、会話すらままならない状態だったという。

 さらにその先にある「照崎神社」にも訪問。津波によって浸水被害があった地区との境目になっていたこの神社には、珍しいことにヘビの神様とお稲荷さんが同じ空間にいた。著者が同じ場所にいる理由を神様に聞いたところ、震災当日の神社周辺の状況とあわせて教えてくれたという。掲載されている写真を見る限り、現在はのどかな風景にしか見えない神社だが、神様の話からは一瞬にして町を破壊した津波のすさまじさが伝わってくる。

 今回の取材では南相馬市から岩手県大槌町まで、レンタカーで北上し続けた著者。全部で32社の神社とお堂をまわり、それぞれの神様から聞いた話を統合したものが、「被災時の神々の真実」などのページにまとめられている。取材により、神様の真意を理解した著者。神仏とコンタクトできる著者ならでは視点は、報道で伝えられるものとは別の角度から東日本大震災を見つめ直すことができる。

 ちなみに、現在も東北にいる神様は「心からの応援や感謝を伝えに行くと、神様は喜んでくださるそうです」とある。年末年始、いつもは願望の成就ばかりを神様にお願いする人も、たまには神様への感謝の気持ちをこめて、東北各地を回るのもいいだろう。

この他にも、本書には小さな神仏を信仰する昔の人たちの素朴な信仰心や、イエス・キリストの真実。さらには死後の世界を取り仕切る閻魔王庁の様子と魂について、フィクションの物語として掲載がある。

「本書を読んでいただければ、神仏の深いところまで知ることとなり、神様仏様への感謝がより強く尊いものに変わられるのではないかと思います。(中略)そしてそれは魂にとても良い効果をもたらします」とある。信じるも信じないも、あなた次第。だがスピリチュアルなんてまったく信じないという人も、偉大なパワーをもつ神様の存在を知ることで、この世の生き方まで変わりそうだ。

文=富田チヤコ