「アイスクリーム」と「梅干しのせおかゆ」―熱が出ている時はどっちがいい? 正しい栄養情報で健康&元気な生活を!
更新日:2017/12/18
正しい栄養と食べ方の知識は、人を健康にする。けれど、様々な情報があふれている昨今では、結局何を食べたらいいのか、どんなことに気を付ければいいのか、判断が尽きづらくなってはいないだろうか。
『もっとキレイに、ずーっと健康 栄養素図鑑と食べ方テク』(中村丁次:監修/朝日新聞出版)は、科学的根拠のある情報を以て、栄養素の知識を、実行しやすい「食べ方」と共にフルカラーで紹介している実用書だ。
食事は、バランスが大切である。
栄養価の高い健康食品だって、そればかり食べていては健康によくない。悪者のように扱われる炭水化物や脂質も「まったく摂らない」と健康に影響が出ることも。約50種類ある必須栄養素を過不足なく摂るためには、バランスのよい食事が一番なのだ。
そのために、各々の栄養素を理解して、それを日々の生活に意識して摂り入れていくことが必要なのである。
突然だが、熱が出ている時の食事として「アイスクリーム」と「梅干しをのせたおかゆ」なら、アイスクリームを食べる方がいいことはご存じだろうか?
熱がある時は食欲がなくなり、消化機能も落ちる。一方、たんぱく質、ビタミンA、B1、C、ナトリウムなどの消費量が増えるので、高栄養で口当たりのよいアイスクリームやプリンを選ぶとよい。
このように、私たちは案外、思い込みの「健康にいい食事」をしている場合がある。
他にも、よく夏バテに食べられるうなぎ。しかしそれよりも慢性疲労を改善するためには、にんじんサラダの方が適しているとか。
精神的な疲労を感じると、体内に活性酸素が発生するため、抗酸化作用の高い栄養素を摂った方がよい。にんじんやかぼちゃサラダなど、緑黄色野菜のおかずを食べるのが効果的だという。
さらに、老化を防ぐためには、「牛乳」よりも「緑茶」を飲むのがおススメ。
牛乳だけを温めたものならいいそうだが、砂糖を加えて加熱した場合、たんぱく質と糖質が結びつき、糖化して肌の老化を促進させてしまう。緑茶は強力な抗酸化作用をもつカテキンが豊富なので、毎日欠かさず飲むようにするといいそうだ。
本書では様々な不調に合わせて、ベストな食事をレクチャーしてくれている。
また、栄養素ごとの詳細な情報が分かりやすく書かれているので、日々の献立に役立てることも。
栄養の知識を持っていると、ただ美味しい物を食べるというだけではない新しい「食事の楽しさ」も得られるのではないだろうか。
日々の健康的な食事が、私たちの未来を明るい方向へ導いていく。本書は一家に一冊、常備しておいて損はないだろう。
文=雨野裾