ネットショッピングの衝動買いは、「ホルモン」の働きで改善できる!? 

暮らし

更新日:2018/1/15

『ココロとカラダを元気にする ホルモンのちから』(伊藤裕/高橋書店)

 ホルモンバランスが乱れると、数々の体調不良が起こる……そういった知識はあっても、そもそもホルモンとは一体なんなのでしょうか? どのように自分たちの体の中で機能しているのか……いまいち、よく分からない方も多いはず。

 だけど、ホルモンは人体にとって、ものすごく大切な物質なのです。

『ココロとカラダを元気にする ホルモンのちから』(伊藤裕/高橋書店)は、ホルモンのめざましい活躍を分かりやすくキャラクター化して説明し、「やる気が出ない」「ダイエットがうまくいかない」などの不調の原因となるホルモンを知り、別のホルモンを使って改善する方法を紹介しています。

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 ホルモンとは、血液中を流れる「つぶつぶ」。100種類以上あるというホルモンは、身体のあちこちで作られ、それぞれ決まった細胞にだけ指令を出しているそうです。つまり、細胞AにはホルモンAが、細胞BにはホルモンBだけが反応し、それ以外は素通りするようになっているとか。

 季節や生活環境の変化があったとしも、「ブレないカラダ」を作ることが、ホルモンの大きな目的です。

▲P57「ホルモン分泌部位MAP」より

 本書の「ホルモン図鑑」の章では、代表的なホルモンをキャラクター化して詳しくご紹介。

▲P35「コルチゾール」より

 ストレスに対抗する「コルチゾール」。ストレスから体を守るバリアを張る役割があります。ただ、あまりにもストレスが強いとバリアが破られてしまい、食欲や集中力が落ちてしまうことも。起床時とストレスを感じた時に分泌が高まる。

▲P41「オキシトシン」より

 愛情や幸福感で心を満たし、母性本能を目覚めさせるという「オキシトシン」。パートナーや子ども、ペットを抱きしめた時など、肌が触れ合うことで分泌されるので「愛情ホルモン」や「抱擁ホルモン」と呼ばれています。

 パートナーとのきずなを強めることもできるので、恋愛初期のドキドキを越えて、恋を大切にするといいそうです。

「ホルモンお悩み相談室」では、ココロとカラダのお悩みをホルモンの目線で解決しています。

昔から運動が苦手。でも、ダイエットのためには運動しないとダメですよね。

 摂取カロリーよりも消費カロリーが大きければヤセる、というのは事実。けれど、ホルモン的に見ると、「イヤイヤ運動を続けても逆効果」。不快な思いをすると「ストレスホルモン」であるコルチゾールが分泌され、ストレスから体を守ろうとします。

 けれど、このホルモンには「筋肉を減らし、脂肪をため込む性質」があるので、ストレスを感じながら運動をしても、充分な効果が得られないのです。

 運動も食事制限もノーストレスで、無理なくダイエットを続けるのが成功の近道。

最近疲れやすくて、外出する気が起きません。

 人が元気に活動するためには、エネルギーが必要です。そのエネルギーを生み出しているのがミトコンドリア。このミトコンドリアの働きを活発にするのがグレリンというホルモン。

 お腹が鳴るまで空腹にし、通称「食欲増進ホルモン」のグレリンを多く分泌させてミトコンドリアにパワーを注入しましょう。

 また、運動などで血行がよくなった時に分泌される「ナトリウム利尿ペプチド」と「一酸化窒素」も、ミトコンドリアを元気にする働きがあります。

「体を定期的に動かすことで、ミトコンドリアが元気になり、バテにくい体を作れる」。30分程度の散歩でも効果があるそうです。

ネットでの買い物がやめられず、お金がたまりません。

 商品をゲットしたり、落札したりすることで「快感」を得るのは、脳内でドーパミンが分泌されているから。この快感が忘れられず、抜け出せなくなってしまうと衝動買いが多くなったり、買い物依存症になってしまったり。

 依存を断つためには「しあわせホルモン」のセロトニンを分泌させましょう。難しいことではなく、ウォーキングなどの軽い運動をすればいいそうです。

 巻末には「ホルモンにいい16のこと」も載っていますので、普段の生活で意識して取り入れてみましょう!

文=雨野裾