ゆる~く学べる「解剖学」で体の中を“見える化”! ピンポイントの筋肉コンディショニングで、肩こりや腰痛を改善
更新日:2018/1/5
肩こり、腰痛などがあるとき、筋肉や骨の様子が、整体院の人体模型のように、スケルトンで見えたらいいのにと思ったことはないだろうか?解剖学により、体の中を“見える化”し自分で筋肉をコンディショニングしていく方法を教えてくれる1冊が『世界一ゆる~い! 解剖学的コンディショニング』(有川譲二/主婦と生活社)である。著者の有川譲二氏は、理学療法士、整体師、解剖学講師でありイラストレーターでもある。本書のなんとも味わい深いイラストはもちろん著者が手がけたものだ。
「解剖学」というと難しそうに感じるが、「解剖学的コンディショニング」のやり方は、とてもシンプル。不調の原因となる筋肉をさわる、動かすことで、筋肉にピンポイントでアプローチしていく。
体の中に600個もあるという筋肉の動きはシンプルで、「縮む」「ゆるむ」の2通りしかない。生活習慣や動き方の癖が積み重なると、同じ筋肉に負担がかかり、「縮む」「ゆるむ」いう動きが弱まる。するとコリが発生し血流が悪くなり、痛み・しびれ・重だるさという不調が起こるのだそう。
筆者は常に肩こりがあり整体に通っている身だ。早速試してみよう。
STEP1 チェック項目により、いまの体の状態を確認
STEP2 イラストを見て、どんな形の筋肉がどの骨や部位についていてどんな働きをするのかイメージする
STEP3 問題のある筋肉をさわって動かし筋肉をゆるめていく。深呼吸をするのも大事。
STEP4 STEP1と同じチェックをしてみて不快感がなくなっていればそのコンディショニングを続ける
まず筆者がゆるめたのは「棘上筋(きょくじょうきん)」。肩の深部にある細長い筋肉でバンザイするときに使う筋肉だ。初めて聞く名前であり、場所も本書のイラストで知った。ここを押さえて10回上げ下げすると、STEP4では最初のチェック時より肩が少し軽くなっていた。すぐに症状が改善しなくても続けることで変わってくるという。
続けて「肩甲挙筋(けんこうきょきん)」、「僧帽筋(そうぼうきん)上部」(肩から背骨にかけてついている。かなり大きい!)など首から肩をコンディショニングしていくうちに、だんだん頭の中でコンディショニングしている筋肉が‘見える化‘されてきた。またパーツごとにコンディショニングするだけでなく、体の中のつながりを意識して組み合わせたコンディショニングをすると、さらに効果が出るという。
本書は、肩、腰、背中、腕、足、股関節など、多くの人が抱える不調が、部位別になっているので実用的だ。筋肉をピンポイントで押さえて動かすだけなので、いつでもどこでも簡単にコンディショニングできるのが嬉しい。筋肉を‘みえる化‘し、毎日こつこつコンディショニングすることで、不調を未然に防いでいきたい。
文=泉ゆりこ