恋愛、結婚、仕事、子育て、どうやったらうまくいく? 人生に悩むすべての女性たちに贈る幸せに生きるコツ

暮らし

公開日:2018/1/7

『女塾』(田渕久美子/主婦と生活社)

 恋愛、結婚、子育て、仕事など生きづらさに悩む女性たちに幸せに生きるコツを教えてくれる本がある。『女塾』(田渕久美子/主婦と生活社)だ。著者は大河ドラマ『篤姫』や『離婚弁護士』など数々のヒットドラマを手掛けた脚本家、田渕久美子氏。その時代に生きる女性たちを描き、ドラマの登場人物を通してさまざまなメッセージを発信してきた脚本家である。

 著者は仕事を続け、子育ても行いながら、その裏では2度の結婚、2人目の夫との死別、さらにはそのショックにより持病のパニック障害から移行したうつ病との闘いなどで生きることに苦しみ、そして乗り越えた女性だ。人を深く知り、深く掘り、相手になりきるという人間研究が仕事である田渕氏だが、プライベートでも苦しい時期には、どこかで自分自身をも観察していたという。そんな著者が自分の経験や仕事を通して得た知恵を活かし女性が満足度の高い人生を生き輝くためのサポートをする『女塾』を開講した。そして、その塾長として生きるためのコツを公開した本が本書なのだ。

 恋愛などで男性といい関係を築けない、夫や上司など周囲の男性に対してイライラしてしまうといった悩みを持つ女性は少なくないが社会で生きる上で男性は必ず関わりを持つ存在だ。男性社会の中で働く著者がアドバイスする男性とうまくやっていくコツは“同じ人間であっても男と女は違うとしっかりと認識すること”である。

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 たとえば男女の差を表すこんな話が紹介されている。女性が「ちょっと髪を切ってみたんだけど、どう?」と問う。質問を受けたのが女性であれば「似合うじゃない」「その長さなら、アレンジもききそう」などと話を広げられる。しかし男性は絶句する。なんとか「あ、うん似合うよ」なんて、いおうものなら「どこが?」という瞬時の質問返しにまたも男性は固まるのだ。

 これには女性の質問の一言の中に実は「最近流行の髪型に思い切ってチャレンジしてみた。似合うかどうかちょっと不安なところもあるけれど、自分ではわりとイケてるんじゃないかと思っている。それを踏まえて、あなたはどう思う?」といった深い意図が込められていて、そんな複雑な意図も瞬時に理解し対応できる共感力を持った女性と、そんな意図があることすらまったく理解できない男性の性格の差が存在する。もし、これが髪型が気に入らないといったような相談であれば男性でも「同じ人に切ってもらってもダメなんじゃない? ほかの店に行ってみたら?」などと答えられる。男性は問題解決のための方法を考えるのが大好きだからだそうだ。

 男性に共感を求めたとき気の利いた答えが返ってこなくても仕方がない。女性が飛び抜けた共感力で男性のためにいろいろとやってあげたのに、男性は同情や理解もなく自分に何もしてくれないとイライラするのは損。男女の壁を越えてわかりあえるなどという幻想を抱かず、潔くあきらめて、女性とは異なる男性の特質を捉え上手な扱い方を覚えることが、女性が悩みから抜け、ゆとりをもった生き方をする1つのコツになるという。

 男性に尽くす自分より奔放な女性の方がモテると感じたことはいないだろうか。奔放な女性がモテるのは男性にハンター気質があるからだという。例外はあるものの一般的には多少の手ごたえのある女性に男性は燃えるもの。男性の前では決して「彼のためなら、私、なんだってできるの」といった発言はせず、どこか謎めいた存在である努力をすることがモテるコツだという。謎めいた魅力とは自分を愛し、自分の感覚で物事を決めることができるようになり、自分に自信を持つことだ。

 子育てもしかり。子どもに対して「あんなにしてあげたのに」と考えて迫ることは子どもを追い詰める。「子どものせいであれができない」と自分に犠牲心も生まれる。女性は尽くした分だけ男性や子どもからの反応の見返りを求めるが、子どもはその想いに萎縮する。そして男性はそこまで女性に望んでいないし、女性が尽くしていることに気付いてもいない。誰かのために生きるのではなく、すべての基本は“私”であることを自覚し自分を定めることが自身の人生を豊かにし男性や子どもなど周囲との関係も良い方向に向かわせるのだ。

 本書では他にもさまざまなケースにおける生きるコツについて、より深く具体的に紹介されている。生きるコツを掴んで上手に生きることで、あなたらしく輝ける人生を目指してみてはいかがだろうか。

文=Chika Samon